1934年の秋、マツさんの家にかわいい子馬がやってきました。ランタンと名付け、可愛がっていましたが、ある日、1通の青い手紙が届きました。それは馬の召集令状で…。平和への願いをこめてつづった実話をもとにした物語。
マツさんの家にかわいい子馬がやってきました。栗色の毛の子馬です。目と目の間から鼻すじ、口まで真っ白、右の後ろ足も真っ白。その姿がかわいくて、家族はかわるがわる馬小屋をのぞいていました。ところがある日、マツさんの家に1通の手紙が届きます。青い紙に書かれたその手紙は……。きずついたのは人間だけじゃない。あの日、やさしい目にいっぱいの涙をうかべたこの馬は、何を見ていたのでしょう。戦後75年をむかえたいま、平和への願いをこめておくる、奇跡といわれたある馬の物語。
本書は、戦争にいって元の飼い主のもとに帰ってきた、たった一頭の馬の実話を物語とした児童書。岩手から中国、神奈川。そして東神奈川で貨車にのり4日かけて岩手と、戦地では何度も負傷するも、部隊長が日本に連れて帰り、飼い主の元に帰ってきた勝山号について、子ども達にも分かりやすく書かれた作品で、こういう側面から戦争を考えるのもとても良い児童書だと思います。
【満足度】 ★★★★