わくわくＢＯＯＫランド　今日の一冊

闇の盾　政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男 [ 寺尾 文孝 ] 価格：1980円（税込、送料無料) (2021/8/13時点) 楽天で購入

　人知れず「権力者」たちが処理してきた事件、トラブルの数々。その陰には必ず、この男がいた…。危機管理会社・日本リスクコントロール社長の寺尾文孝が、闇に包まれていた仕事の全てを明かす。

　年会費は２０００万円、日本最強・最高の危機管理会社・日本リスクコントロール。著名政治家、一流企業経営者、「芸能界のドン」と呼ばれる大物、さらには暴力団組長までが頼りにする「駆け込み寺」だ。依頼は紹介者からの紹介があったときのみ、電話番号も公開せず、ホームページすらないが、依頼が途絶えることはない。「あなたが本当に無実だったら助けてあげる。ただ、私の調べは捜査一課よりもきついかもしれないよ」日本リスクコントロール代表の寺尾文孝社長は、警視庁機動隊員を経て秦野章元警視総監の秘書となり、警察・検察に圧倒的な人脈を築いた。バブル期には、元暴力団組長に乗っ取られかけた大証一部上場企業・日本ドリーム観光の副社長として闇勢力の排除に尽力し、ダイエー・中内功社長に会社を売却した。許永中、伊藤寿永光、高橋治則、後藤忠政、中江滋樹らと対峙し、自らも不動産会社を設立して大規模なリゾート開発も手掛けたが、バブル崩壊で頓挫。その後は危機管理専業となり、数多くの依頼を処理してきた。徹底した事前調査と情報収集によって「突破口」を見出し、政界・官界の中枢に張り巡らせた人脈をつなげることで、ひとつ一つ案件を処理していく。その評判を聞きつけ、また新たな依頼主が現れる……。波乱万丈、息をもつかせぬ圧巻の手記。

　本書は、権力者たちにその名を知られた伝説のトラブルシューターによる回想録。著者は「日本リスクコントロール」という危機管理会社の社長であるが会社にはホームページも存在せず、電話番号も公開されていない。同社にアクセスする方法は、紹介者による仲介しかなく、トラブルの最終処理まで面倒をみる「Ａ会員」が年間二千万円、助言までしか行わない「Ｂ会員」ですら年間五百万円で、顧客には錚々たるメンツが名を連ね、大物政治家や財界人、芸能界のドン、暴力団組長……など、これらの面々とのエピソードが非常に興味深い内容です。ドリーム観光問題やイトマン事件の裏事情も書かれており、昭和の時代背景と共にリアルさが面白かったです。

【満足度】　★★★★☆