笹周(池袋)
池袋のちょっと怪しい路地裏にあるこのお店、ずいぶん前から店構えが気になっていたのだが、実は父の行きつけだったらしく「冬だ!鴨鍋だ!」ということで連れて行ってもらった。ラッキー♪・笹周(地図)最近改装したそうで、囲炉裏端を残した形で座敷+奥に掘りごたつの10人程度が入れる個室+手前にテーブル席がいくつか、という使いやすいお店になっていた。以前は全てずずっと座敷だったのだが、古くなってあちこち木材が歪んできてしまったので改装(改築?)しましたとお店の人が教えてくれた。父が狙っていた囲炉裏端は残念ながら先客がいたので、奥の掘りごたつでまずは刺盛り、〆鯖をいただく。あれ、ここは鴨がおいしいんじゃなかったの?といきなり目をむくうまさ!特に〆鯖のレア具合が絶妙で、ビール飲んでる場合じゃない、と慌てて日本酒をお願いしたほど。その日本酒も、ビンのラベルを剥がしたものがファイリングされた手作り感満載のメニュー。しかも北から南まで主に恐らく辛口の酒が集めてあって、端から全て飲んでみたくなる品揃えだった。素敵~。そして選んだのは確かこれ、宇都宮「四季桜」の純米吟醸を燗酒で。宇都宮のお酒ってマイナーな気がするけどこれはすっきり極うま!普通吟醸ってお燗しないけど、あったかくてもフルーティな香りが程よく残っていて美味でした。もしかしたらだけど、前に触れた北九州のスーパー酒屋「ひらしま」の店主も師事したという、池袋甲州屋の流れが笹周にもあるのかな?それとも逆で笹周が先?どちらにしても池袋っていいとこだなぁ。そうこう舞い上がっているうちに、囲炉裏でご主人が焼いてくれていた鴨の串焼きが登場。なんじゃこの大きさとぶりぶりさと味の濃さは~鴨って自分で焼くとすごく難しくて、中まで火が通りにくいくせに焼きすぎるとすぐ硬くなってしまうわけで。使っている素材が冷凍ものでない旬のお肉、という点がよく絶賛されているけれど、この絶妙な焼き具合、この店の名声はご主人のテクニックが実はキモと見ました。続く鴨鍋では、出てきた生肉の大きさと濃厚な色にまずびっくり。今まで食べてきた鴨ってなんだったのーと叫びながら、お湯にさっとつけては食べ、つけては食べているうちにあっと言う間にぺろりといただいてしまった。ニワトリも地鶏だと独特の臭みと硬さがあるけど、その鴨版という趣きで野性味があるので、人によっては好き嫌いがあるかなーとは思う。もちろん私は大好き!噛めば噛むほど肉汁と共にぶわっと鴨独特のうまみが出てきて、これもしかしてワインの方が合う?ということで急遽グラスワインを追加オーダー。憎いことに、鴨と言えば赤ワインでしょ的お客のためにちゃんとメルローのグラスワインが500円くらいで用意されていて、しかも絶妙な冷やし具合だった。恐らくその辺のテーブルワインじゃないと思われます。勢いに乗って更にお酒もつまみもがんがん頼んで、挙句いい気分になって外に出たらものすごく寒くて、父母とダッシュしながら大笑いしてすっかり酔っ払い3人組と成り果てつつ岐路につきました。ひとり分で7,000円くらい払っていた模様。いやいや、ご馳走さまでした~。