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2006/12/04(月)01:01

ネアンデルタール人

科学談義(24)

もう二週間前の話だが、ネアンデルタール人のゲノムの一部が解析されたというニュース。 今回、NatureとScienceにほぼ同時に掲載。1980年にクロアチアのヴィンディヤ洞窟で発見された3万8000年前の状態の良い骨から抽出したDNAを使って塩基配列を解析。二つのグループが別の手法を使って報告に至った。 3万年前に絶滅してしまったという人類の遺伝子をどうやって取って来れるのかというと、化石の骨髄から取り出すという事。片方のドイツのグループはパイロシークエンス法という多数の短い断片の配列を片っ端から読んでいく手法を用いたのだけど、ネアンデルタール人のものと思われるのはわずか6%。それ以外はコンタミかよくわからないものという。DNAって化学的に強い物質ですが、さすがとここまで古いとかなり断片化しているんだな。 今回この解析で何がわかったかというと、現生ヒトと交雑があったか議論されてきたけど、交雑はなかったという事のようです。37万年前にはわかれて、ヒトとは別の種類であるという事。もし交雑ができるなら、今の人種レベルと同じということになるから。 ちなみにマンモスについても同じような事が行われていて(Science )、そのときはシベリアで氷付けになったサンプルなだけにマンモスの遺伝子は45%は得られたそうだ。そのときにヒト、イヌを見てみるといずれも1%以上。研究者のもの、飼っているペットのものがこんなに影響してしまうということだ。もしかしたらお昼のツナサンドのかけらが飛び散ってマグロの遺伝子が引っかかるという事もあり得るかも知れないし。 さてさて、じゃあクライトンのジュラシックパークは現実的なのかというと。まず化石からは無理だと思う。時代自体が違いすぎる。ティラノサウルスの白亜紀で6500万年前・・桁が違い過ぎ。前に核酸の痕跡のようなものは残っているという話は聞いたことあるが、PCRで増幅してもなかなかゲノムをカバーするのは難しいだろう。琥珀に内包された蚊の消化器に残された血はどうかというと、ティラノサウルスの血なんか吸えるのか?でも、小さい恐竜ならありえる?恐竜に近いといわれる鳥も赤血球に核があるのでヒトよりはとれてくるはず。ただ、消化器官だから分解が早いのでは。 ロマンがあって面白い話ですけどね。

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