こんにちは。
ビジョナリーパートナーの和仁達也です。
経営者からよく受ける相談に、
「社員への報酬の還元をどうやればいいか?」
という質問があります。
先日、セミナー中にこんな質問がありました。
「わたしは労働分配率を、役職ごとに決めて、
活躍度合に応じて給料を支払おうとしているのですが、
なかなかうまくいきません。
大手のコンサル会社に賃金規定をつくってもらおうかと
も思ったんですが、話を聞いても、あまりピンと
来なかったし、どうしたものかと行き詰っているんです」
彼の話は、細かくルールをつくったものの、
かえって「この成果は、あの人だけじゃなく、わたしも貢献
しているはずなのに、なぜあの人だけ報われるのよ」
という不満を助長してしまい、機能しなかったそうです。
わたしは、彼にこう伝えました。
「月々の給料は社員にとって、生活の安定を支える基盤だから、
あなたの会社の場合、あまり上下しないほうがいい。
そのかわり、活躍に応じた成果は、年2回なり3回のボーナス
の中に一部織り込んで支払う。
さらに、お金以外の形でも還元する仕組みを作るといい。
なぜなら、社員のモチベーションの源泉は、皆が皆、
お金とは限らないからです。
休みをもっと欲しい人。教育の場が欲しい人。
働きやすい環境整備を求める人。
もっと社員との懇親の場が欲しい人。
それぞれのモチベーションの源泉が何か、じっくり考えた
ことがありますか?」
彼はハッとした表情をしました。合点がいったようで、
セミナー後に、「これから考えてみます」と言いに来てくれました。
「社員にお金をいくら分配するか」の前に、
「どんな形で社員に還元すると、彼らはうれしいのか?」
を考えてみるのは、社長にとっても社員にとっても
ハッピーなことです。
その具体策を考えるときに、ぴったりの本があります。

「組織が大きく変わる『最高の報酬』」
石田淳 著/日本能率協会マネジメントセンター
この本は、まさに「お金」だけでなく、それ以外も含めて
どんな報酬の与え方ができるか、を、「社員のやる気に
火をつける」視点で事例をたくさん紹介しています。
とくに、社長が社員に指示するときや、注意するときに、
「やっぱり、メールだけでなく直接聞くとよくわかる。
これからもメールで記録を残して、詳しくは
口で説明してくれると助かるよ」
というように、どういえば誤解なくスムーズに伝わるか、
具体的なセリフまで紹介されているので、すぐに使えます。
非金銭的報酬のあり方を追求したい方は、ご一読を。