やはり舞台に立った後の歌い手は普通と少し違う状態にあるし、初演となった "Moulin Rouge" の編曲者の有澤孝紀さんが、演奏会の終わった直後に亡くなったということもあって、当日の内容を冷静に振り返ることが出来るのは暫く時間を置いてからのことになるだろうと思います。(このコメントも、コンサート終了から2週間以上経過して書いています。)
ラフな印象だけ書いておくと、前半のフランスの作曲家によるアカペラは総崩れ。立ち直るチャンスを掴めないままに終わったという感じがしていますが、音楽は「なまもの」ですから、そういうこともあるのは仕方のないこと。まあ、難曲ぞろいの大挑戦でもありましたけれどね。舞台から途中で引けるタイミングを作っておくべきだったと思ったのは後になってのこと。褒めて下さる方もいるので、魅力的な部分はあったのでしょう。後半はスタイン氏のピアノに乗せられて、若干荒削りな部分はあったけれど、エネルギーの高いステージになったと思います。聴くたびに思うけれどスタイン氏のピアノは、本当に素晴らしいものです。何でこれほどの人が世に知られるようにならないんだろう。
まあ、そこそこ綺麗に見せる形を作るのではなくて、出来ることは目一杯やって最高のものを目指そうというグループですから、多少の失敗があってもめげずに、人を感動させる音楽を追及してゆくというのは、今後も変わりません。来場して下さった方には感謝です。また次回も聴きに来てね。今回は残念ながら来られなかった方も、もちろん大歓迎ですよ。