ワインヲタ入門生のチラシの裏

2016/01/10(日)00:00

帰省して久々にラトリエあべさんへお邪魔させて頂きました

帰省ネタ(86)

徳島の県南でされているフレンチレストランのラトリエあべさん。 徳島という地方の、そのまたかなりの田舎のお店ですが、県内で40年以上のキャリアを持ち、各地のお店での食べ歩きも欠かさないというシェフが、地元の食材を用いた洗練された味わいのフレンチを振る舞って下さります。 当ブログでも2度ほどお邪魔して記事にさせて頂いていますが、2014年の春以来、久々に行ってきました。 コースの料金が少し変わっており、5000円、8000円、10000円(税抜)の3種となっていました。今回は5000円のコースで。 前菜はヤマバト&ヤマウズラを冷製で。ソースはウズラのダシをゼリーにしたものです。2種類の肉の旨さをよく感じられ、ヤマバトは血のニュアンスが、ヤマウズラはマイルドな旨みが、それぞれ楽しめました。また、ウズラのダシは、非常に済んだ味わいながら旨みしっかりで、肉の味わいを際立たせてくれます。 今回もちょっとご無理をお願いしてワイン持ち込ませていただきました。丹波ワインのてぐみマスカットベリーA・ロゼです。こちらの柔らかい味わいのお料理には合わせやすいかなと。 狙い通り、ウズラとヤマバトの旨みに対してワインの果実味ややや赤を感じるタンニン感などよく馴染みました。 続いてはフォアグラ。なんとお店オリジナルの糠床で付けた糠漬けになっています。それを、鳴門金時とカラメルソース、それに柚子ジャム、そして、甘酒で柔らかく炊いたお米で頂くという一皿。フォアグラのコク、糠漬けにすることで引き出された強い旨みに、お米の香りと甘さ、サツマイモ、カラメルの甘みが合いますし、そこに柚子ジャムが加わることで爽やかさも出ますね。 続いては雪駄エビ(=うちわエビ)の半生グリルと、最近シェフがソーセージ作りに凝っているという事で、地物の蟹、蟹の内子、ハモなどを使った贅沢魚肉ソーセージです。濃厚なエビや魚肉ソーセージにパイ生地とグリルしたネギは香ばしさや甘さをプラスしてくれるマリアージュです。ソースは、魚介系と緑のものはホウレン草です。 雪駄エビは半生という事で甘さバッチリ。また、繊維を感じる食感もいいですね。贅沢魚肉ソーセージは、とにかくすごい旨み。蟹が効いています。 てぐみロゼは、特に雪駄エビといい感じでした。ソーセージには、流石にちょっと負けてますね^^; 続いてはこちらのスペシャリテであるロワイヤル。今までは、鳴門の鯛100%のダシでしたが、最近は深みを出すため鶏も加えているそう。確かに、今までのピュアで柔らかな感じから、奥行きや立体感を感じるものに変わっていた印象。ロワイヤルの柔らかな味わいにいいバランスでした。上に乗っているのは米粉のラビオリで、中には地物のこんにゃくやキノコが。この食感が非常に面白く、ロワイヤルの柔らかさとはいい対比で、一方立体感のあるダシにもよく馴染みます。 てぐみとの相性はバッチリ。鶏が加わったことで、ロゼの中の赤いニュアンスをよく受け止めてくれます。 続いてはアマダイのロースト。ソースは、これもこちらのスペシャリテといえるブイヤベースです。それに、地物のサトイモと、魚のテリーヌが添えられています。こちらのサトイモは真っ白なのが特徴なのだとか。アマダイの香ばしさと穏やかな旨みに、ブイヤベースの深い味わいがいいですね。サトイモは、らしい滋味は感じますが、結構優しい感じ。 てぐみはこれにも行けます。ブイヤベースの深い味わいに、ワインの果実味やオリの影響もあったでしょうが強い旨みが嵌りますし、アマダイとも香りの面で中々いい感じ。 そして、お肉は阿波牛のステーキです。隣のピンクのものは大和鶏のハムです。そこに、ブータンノワールとネギ、地物シイタケが添えられています。ハムやブータンノワールは、シェフの今のソーセージ系に嵌っている感が伝わりますね^^お肉は柔らか。ソースにはやや甘味もあり、幅広い年齢層の方に受け入れられる味わいかなと。 てぐみは、阿波牛にも悪くないです。泡の力と、下の方になってきてオリから来る旨みや渋みが強まり、その辺が肉の味わいにも負けていません。ただ、やはり鶏ハムとの相性は抜群ですね。 デセールはなんと3種。先ずは柚子のプリン。これが個人的には非常に感動しました。柚子の中にあるクドさというか強さの部分って苦手な人もいると思うのですが、それが出ない、それでいて柚子の香り・爽やかさを損なわないギリギリのところになっており、柚子感バッチリながらいくらでも食べられそうな香りと味わいでした。 続いてはロックフォールのチーズケーキ、イチゴの真空調理、ココアとガトーショコラです。ロックフォールのチーズケーキは、塩気とコク、そしてアクセント的に出ているブルーチーズの香りが上品な一品。てぐみとの相性も上々でした。 3皿目はリンゴのマシュマロ風。リンゴを蒸すことでマシュマロのようなふわっとした食感にしています。ソースはなんとビーツ。甘さしっかりですが、香り、そしてその甘さの質は何となく野菜感強かったかも。リンゴの香りには、それがよく馴染むのが面白かったですね。 最後にコーヒーで。添えられているのは、干し柿のガトー、巨峰のせんべい、ビーツのせんべいです。巨峰やビーツを潰して作るというパリパリのせんべいは驚きでした。 品数、味わいの構成と満足度の非常に高いコースでした。以前の2回は3500円のコースを頂いていましたが、勿論それも素晴らしかったですが、差は結構あったかも。そういう意味では、今の3種のコースが、こちらのらしさ、真髄を感じられるという事なのかもしれませんね。 何にせよ、今回も非常に楽しめました。次こそは夏にお邪魔して、ハモを頂きたいところです。 にほんブログ村

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