ワインヲタ入門生のチラシの裏

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今回は甲州です。山梨の、フルーティなものになります。
猫・甲州2015。生産者は三養醸造です。山梨の牧丘地区に昭和8年ごろに創業したというワイナリーで、同地区では最古参のワイナリーなのだとか。創業以来ずっと海外原料は使っておらず、また、1980年ごろからは除草剤の使用も控えてきています。自社栽培は甲州とベーリーAだそうで、この猫・甲州2015はジャパンワインチャレンジで銀賞を獲得しました。
価格は、楽天内では2160円。

色はややグリを感じる灰色感がありつつも、黄色と言うよりもはや透明と言っていいレベルの薄さですね。

香りは甲州らしい酵母や白い花のニュアンスも感じますが、フルーティーさいっぱいなのが印象的。リンゴ、ナシ、ミカンといったものは勿論、白い花のニュアンスにもつながるバナナっぽさ、それに熟したアケビの実のような要素も。柑橘っぽさもありますが、温州ミカン的な雰囲気が一番出ていたでしょうか。また、軽い蜜っぽさも。

味わいは、フルーティな香りに似合った果実味のしっかりしたもので、アタックにかけては支配的。しかし、明るい乳酸系の酸と、意外に存在感のあるミネラルがすぐに広がりを見せ、トータルバランスとしてはジューシーといったところ。旨みや後口にかけての軽い苦みも少々。ボディは丸さを感じるライトですが、その丸さの中に、岩清水的なしなやかさも。

食事との相性は結構幅広いです。
焼き鳥を合わせましたが、モモを塩でというのにはまあ間違いなしです。塩+鶏の旨みに対し、ワインの果実味を伴う旨みや、フルーティな香りがよく合います。また、肩肉の部分をタレで、というのにも意外と良好。しっかりした果実味やフルーツ香のおかげで、タレの味わいにも負けず、肉がそこまでゴツい味わいの部位でなかった事もあってか、よく馴染んでくれました。
また、鮎の塩焼きにもよかったですし、トマトとトマトジュースをゼリー寄せにしても、その甘味や香りが嵌っていました。
また、蕪や大根の浅漬けを、ヨーグルトや粒マスタードでサラダにしたものとも、これまた旨みと果実味の馴染む相性の良さが見られましたし、香りも白い根菜の香りに妙に合いました。それに、豚肉をシンプルにゴマダレで冷しゃぶにしてもいい感じです。

香りもしっかりしていますし、味わいもよく詰まった、完成度の高いワインでした。ただ、しっかりしている分まだ若い印象も。あと3年、5年と変化を見ていっても面白いワインではないかなと思います。勿論、今の段階でも色々な食事と合わせて楽しめます。この相性の幅の広さは有難いですね。

猫 甲州 2015 750ml / 三養醸造 白ワイン 甲州ワイン 辛口 日本ワイン 国産

猫のエチケットですが味わい深いタッチです。


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