2017/03/04(土)23:53
シャトー・サン・ミッシェル コロンビアヴァレー・メルロー2008
今回のメルロー飲み比べ会のワインはアメリカ。例の如く、「メルロー」表記のラベルですがセパージュ的には100%ではありません。
コロンビアヴァレー・メルロー2008。生産者はシャトー・サン・ミッシェル。アメリカ・ワシントン州の最大最古のワイナリーの一つです。年間降雨量は少なく、日照時間は長い、それでいて、カリフォルニアよりは北にあるため冷涼さもあり、昼夜の寒暖差も大きいという恵まれた環境のワシントン州において、古くから高品質なワインを生産、当地の原産地呼称認定にも大きな影響を及ぼした生産者です。また、近年ではイタリアのアンティノリやドイツのドクター・ローゼンとコラボレーションするなどさらなるワシントンの可能性を追求しています。コロンビアヴァレーは、ワシントン州でも最大の産地で、ボルドー系赤品種が主に栽培されています。
セパージュは、84%のメルローに16%のカベルネ・フランのようです。価格は、写真のお店で2355円。
色は黒さがあります。エッジには赤も見えますが、全体的には黒紫と言っていいくらいで透明度も低め。
香りはバニラやナッツ、クリームといった樽由来であろうニュアンスがあり、他に黒蜜やカラメル、黒い土、チョコレートといったようなものも。ただ、やはりフルーティさが一番の要素ではあり、ブルーベリーやブラックベリー、カシス、プルーン、それらのドライフルーツやジャム、さらに完熟南国フルーツ的な雰囲気などが出ていました。加えて、茶色いスパイスや紫の花のような印象も。また、時間経過とともに結構樽の印象が増した感じがありました。
味わいはやはり、北の産地とは言えそこはアメリカ。果実味のインパクトがバッチリです。アタックから後口にかけてまで、大人しくなりつつも最後まで印象が消えることはありません。そこに、明るい乳酸系の酸がピッと入る感じで、全体のバックボーン的に渋みも感じられます。ボディは、ふくよかさ、丸さのあるフルボディですが、どこか落ち着きや、冷たさすら感じるような締まり、輪郭といったものがあったようにも思います。
会では、ソーセージとの相性が良好。7ソーセージと言いましても、どちらかと言うとフライシュケーゼっぽい感じのものだったのですが、肉の旨みと塩気にワインの果実味や渋み、輪郭のある質感といったものがいいですし、香りも、ワインの香りの要素の中にあるスパイシーさどどこか共通項がある印象でした。むしろ、この香りの相性の方が印象的ですらあったように思います。
また、レバーペーストともまずまずで、こちらはなめらかでまろやかなレバーペーストの味わいに、ワインの質感や果実味が嵌る、といった感じで香りより味の馴染み方の方がよりインパクトがあったかなと。
このワインなら、牛肉の煮込みやステーキ、あるいはラムチョップなど、しっかりお肉と合わせてみたい感じですね。
9年弱の時間がたっており、どんな感じかなと思いましたがまだまだ果実味の元気さはありました。ただ、ある程度の落ち着きも感じられましたし、香りの完熟南国フルーツっぽさはやはりある程度熟成の影響が出た結果なのかなと。
もっと寝かせてもいいでしょうが、気温が高くなる前のこの時期なら、今の段階でも十分楽しめるワインかなと思います。
シャトー・サン・ミッシェルメルロー[2008]
楽天内で、珍しい2008というバックヴィンテージを見つけられたのはラッキーでした。
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