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ワインヲタ入門生のチラシの裏

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2017年07月10日
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一昨年から、ちょこちょこお誘いいただいておりますサントリーさんのワインブロガーイベント。前回は塩尻ワインセミナーだったりと、最近は日本ワインにフォーカスしたものが続いていました。

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今回、またまたお誘いいただく事が出来まして、なんと2日間連続でのイベントとなったのですが、その初日分が久々の海外ワインをテーマにしたものでした。
会場は、神楽坂にあります和らくさん。路地裏にあります、隠れ家的、どころではない隠れ家な和食のお店です。

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ボルドー、メドック地区のサン・ジュリアンにあるシャトー・ラグランジュ。最初に文書に登場するのは1631年という大変歴史あるシャトーで、1785年のトマス・ジェファーソンによる個人的格付けで3級、1855年のメドック公式格付けでも3級の評価を得ていましたが、その後所有者の入れ替わりが激しく、品質も低下してしまいました。
そのラグランジュを、1983年に取得したのがサントリーという訳です。
今回は、そのシャトー・ラグランジュについてのセミナー&ディナーでした。写真の方は、今回のセミナー講師を務めて下さった椎名敬一さん。2004年より、ラグランジュの副会長となられている方です。因みに、ボルドーで最初に欧州人以外の人間がオーナーとなったワイナリーになるのだとか。

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ラグランジュは、サン・ジュリアン南西部の赤で囲われた区画に畑を有しています。北緯は44度で日本で言うと網走位だそうですが、大西洋と東部のジロンド川に挟まれた気候のおかげでワイン造りに適した環境となっているようです。

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元々、280haほどの畑を有していたそうですが、サントリーによる取得の前、オーナーがコロコロ変わっている頃に切り売りされてしまい、取得時には156haにまで減っていたそうです。また、ちょっと見づらいですが写真のシャトーの写真、取得時のものだそうですが、なんと火災があったそうでほぼ廃墟だったのだとか。だからこそ、フランス人も手を付けず、日本企業であるサントリーが取得できた、というお話でもありました。
その後の畑の整備などは大変だったようですが、1984年から2003年までに3級としてのワインの品質、シャトー経営の復活を行い、2004年から2023年までに3級シャトーのトップを目指すという計画の下、現在に至っています。

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区域内にはやはり砂利質が多いようですが、それでも様々な環境の畑があります。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドといった赤系品種の栽培が主ですが、砂と粘土の地質のエリアなどは、赤品種に濃さが出ないという事で、白品種も手がけています。

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その中でも、やはりカベルネ・ソーヴィニヨンへのこだわりは強いようです。最初の頃は、前オーナーがそのように植えていたことから、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローが半々くらいだったそうですが、サントリーが取得後すぐカベルネ・ソーヴィニヨンを増やしたそうです。
ただ、植えて直ぐのカベルネを使う訳にも行かなかったことから、ワインに厚みを加える為少し植わっていたプティ・ヴェルドを使用するようにしました。写真は、上からプティ・ヴェルド、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンの使用比率で、年毎の変遷を見ることが出来ます。近年(右側)、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が主になってきていることが分かりますね。

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こちらは選果作業の写真です。品質向上のため、ブドウを完熟させるべく周辺ワイナリーの中でもかなりギリギリまで収穫を待つそうで、カベルネ・ソーヴィニヨンなどは10月下旬まで粘るのだとか。それでも、腐敗果は出にくいそうです。
とはいえ、全く出ない訳ではないので選果が重要になるわけですが、そこでハイテクの導入です。特殊なカメラでチェックして丁寧な選果を行い、腐敗果を徹底的に除去し、結果収量は少なくなろうとも、高品質なブドウを得られているそうです。

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こちらは樹齢40年のカベルネ・ソーヴィニヨン。

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果実の拡大写真です。基本的に、こういった綺麗に熟したカベルネが取れるそうで、その辺りはやはりテロワールの影響が大きいとの事でした。

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さて、ハイテクと言いますとこちらの写真も驚きでした。なんと、土壌に電気を流し地中の水分量を調べているのだそうです。どこに畑を作るか、どんな品種を植えるかの選定の為、ここまでのことを行っているというのは流石だなと。

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とは言え、実際に掘ってみないとやはり完全には分からないという事で、上記通電によるチェックのあとはボーリング調査です。かなり深く掘るそうです。
写真に出ている茶色いものはアリオスという不透水層で、これがあるとブドウの根が地下へ降りられ無い事から、砕いてやらないといけないのだそう。これ、レンガの様にかなり堅いのだそう。

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最後に、ちょっと印象的な写真を。今年の4月、かなり強烈な霜害に襲われたそうで、ブドウの新芽をやられるなどかなり大きな被害を受けたそうです。厳しいヴィンテージになりそうですが、それでもブドウはその後なんとか成長してきているという事で、この後平穏無事に収穫まで辿り着けることを祈りたいものです。

フランス、それもボルドーのワイン造りについてじっくり伺えたというのは、実は今回が初めてでした。ハイテクの導入など流石と思わせられるところもありつつ、品質への厳しいこだわり、その奥にある、初の欧州外オーナーとして3級シャトーにふさわしいワインを復活させ、さらに高めていく、という日本企業だからこその強い思いも感じられました。
飲んだワインやお料理については次回へ続きます。

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最終更新日  2017年07月14日 23時28分19秒
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