「浅川部会」での私の口述内容(02/3)

 私はダム建設に反対する立場から発言したいと思います。浅川ダム計画は1985年に長野市長との間で取水契約を結び、本格的な工事が始まったと思います。このとき2.8%、工事費を負担するという契約を結んでいます。
 しかし、この契約のすぐあとに三ツ出での地域に産業廃棄物処理場を許可しているわけです。この産業廃棄物処理場は、基準を超えダイオキシンが検出されたり、死体が発見せれるなど問題点が指摘され、何度も行政指導を受けていますが改善されていません。長野市は是非とも市民の安全を考えて、ただちに取水契約を解除すべきと考えます。
 浅川ダムは洪水のためにどうしても必要なんだ、当初「ダムがあれば千曲川合流点での水害はなくなる」という説明をしてきました。しかし、前土木部長、三家氏ですが、「ダムが出来ても内水災害はなくならない」と言う発言をしたことで、これはダム推進の口実だった事が明らかになりました。
 私たちの研究でも、ダムがあれば被害は長時間隣、むしろ拡大するという結果が得られています。
 さて、県が示した基本高水流量は基準点で、(基準点とは千曲川合流地点なんですけれど)毎秒450立法メートルとしています。しかし、この基本高水流量こそが問題ではないかと考えています。最も基本となるべきデータが不備だということであります。水位観測所が北郷に一ヵ所あるだけ、雨量観測書は長野観測所が代表しています。基本高水流量を決めるための数式、貯留関数法と呼んでいますが、これに用いた観測所の位置が浅川のごく一部、つまり北郷ですね、いわゆる上流しかカバーしていないという問題。それから観測所の集水面積は全域の僅か13.7%で、大きな誤差を生む危険を持っている事。さらに、水位観測所のある位置はその直下に砂防堰堤があって正確な観測が出来ていない、と言う場所に設置されています。データ不足と言うよりも、でたらめと言うしかいいようがありません。
 県は、基本高水流量がもっとも多い昭和61年9月型をモデルにしていますが、流量解析は、この日降った日雨量ですが、65㎜に対し、ピーク流量がダム地点で毎秒31立法メートル、基準点では毎秒112立法メートルとなっています。日雨量を2倍の130mmに引き伸ばした結果が(現在の)基準点では毎秒440立法メートルとなっている訳です。
 県が解析を行った10例を公表していますが、このなかで最も被害が多かった、先ほどから何人の方が言っていますが、昭和56年、67年、58年の洪水を採用しなかったのはなぜでしょうか、私は非常に不満を持っています。
 私は浅川ダム建設は直ちに中止し、上流から下流に至る観測点を設けて、数年間のデータを採って浅川の総合治水対策を考えるべきだと思っています。ムダで危険な浅川ダム建設に強く反対して、私の口述を終わります。


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