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カテゴリ:ケセラセラな日々
K君は 幼い頃から 親の言うことを良くいい子で 素直でおだやかな性格ゆえ 反抗期などもなかったそうだ。 偏差値の高い中高一貫校の その中でも常にトップクラスの成績で 都心の有名大学に現役合格 そして今年の春 この不況の中 誰もが知る一流企業に就職した。 K君のママは 何事にも真面目で一生懸命な性格で もちろん子育てにも一生懸命 時々逢うK君を見れば 愛情いっぱいに育てられているのが 手に取るようにわかった。 長男チロが中学生で 反抗期で手を焼いていた頃も 当時高校生のK君が 母親の隣に座って笑っているのを いつも羨ましいと思っていた。 が 最近 そのK君ママの元気がない。 K君は東京で採用されたが 入社後は地方にある支店に配属になり 今は社員寮で暮らしている。 あれだけカワイイ自慢の息子が 遠く離れてしまうのは やっぱり淋しいんやろうなぁ。 「それがねぇ・・・」 K君はちょっとした 人間関係に悩んでいるらしい。 職場そのものというより 寮の先輩たちとの関わりの中で プライベートも何もないような 無茶な付き合いをさせられる その体育会系なノリに とてもストレスを感じているそうだ。 K君は 人当たりがよく お酒も強いそうなので 配属どおり 営業向きで 可愛がられるタイプなのだと思う。 しかし マジメで気持ちが優しいだけに 先輩たちの誘いを うまく断り切れないのだろう。 今まであまりに優等生で 大事に大切に育てられてきたゆえ 先輩社員たちが新人に浴びせる 荒っぽい洗礼に耐えられないようだ。 決して甘やかされるだけでなく コンビニバイトで学費を稼ぐしっかり者。 大学時代のサークルは文化系の いわゆる草食系男子で バカ騒ぎが苦手だという 生真面目な性格でもあるK君。 今まで まっすぐに育ってきた彼は きっと誰からもそんな風に 扱われたことが無かったに違いない。 あれだけ一生懸命 愛情たっぷりに子育てをして 清く正しく立派に成長したとしても 社会に出て 荒波に揉まれたとき 免疫ができていないと とたんに心が潰されてしまうなんて なんともやりきれない思いである。 学生の頃に部活やサークルで 先輩後輩の厳しい上下関係を経験し アルバイトで 世間の裏側や汚い世界を垣間見て 理不尽なことで 叱られたり なじられたり 人間関係で 悩んだり 傷ついたり 落ち込んだり コドモたちの健やかな心の成長には 一見 不必要とも思える この 「ストレス」というワクチンの必要性を つくづく感じされられた。 わが家の息子たちは オカンにより接種済み こういうとき親として「無理するな」と心の逃げ場を作ってやるべきか 「弱音を吐くな」と叱咤激励する方がいいのか悩むところである。 ←K君とママが元気になりますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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