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カテゴリ:長男チロ
夕飯の準備ができ 予備校のアルバイトから帰った 長男チロに声をかけた。 「おーい できたよー」 「ほいほーい」 いつもなら あーとか うーとか言って なかなかリビングにやって来ないチロが その日はよほどお腹が空いてたのか すぐにリビングにやってきた。 この日のメニューは ナスとカボチャを素揚げして めんつゆに浸すだけの 野菜の揚げ浸しと 豚の薄切り肉を塩コショウで焼いて ゆずポンか焼肉のタレの どちらかをチョイスする2品がメイン。 テーブルにおかずをセットした後 さて 最後にご飯を持ってこようと いったんキッチンに戻った。 すると チロが 「まだご飯を用意してないんやったら 『できた』って呼ばんといてよ。」 不満そうな声を出した。 カチンときた。 「焼きたてのお肉を熱々で あんたに食べさせてやりたいから 肉が焼けた時点で声かけてんやん。 ちょっとのコトやねんから ご飯が出てくる間くらい待ちなさいよ。」 「ちょっとのコトやったらなおさら 別に全部揃ってから呼べばいいやん」 たしかに 白いご飯が何よりの好物なチロは 「いただきまーす」と言ったあと まずお茶碗のご飯を口いっぱいにほおばる。 それができなかったのが不満なのだろう。 しかしやね 「なんで あんたのために ワタシがそこまで 気遣いをせなあかんねんな。」 「できたよって言われたら普通 すぐ食べられる状態やと思うやん」 あのな ダイニングに座らせてから やおら肉を焼き始めたら そう言われても仕方ないけどやな たった10秒か20秒のことやろうが このあいだの夕食時もチロは まだ箸が出ていないからと ガバっと皿に顔をつっこみ 肉にかじりつく仕草をしてみせた。 あのときは ツッコミを入れてほしくて ボケたのだと思ったので 「アホかおまえはっ! ちょっとくらい待っとかんかい!」 と一喝しただけで終わったが この日はワタシも虫のいどころが悪く 「なぁ あんたもう20歳やねんで。 同年代でひとり暮らししてるコなんて 自分で料理して片付けまでしてるねん。 帰ったらすぐにご飯ができてるだけでも 恵まれてると感謝せなあかんのにやで? 全部揃ってから呼べとは何事やっ! あんたいったい何様のつもりやねん! 足りんもんがあったら 自分でキッチンに取りに行かんかい! それがイヤやったら そこでおとなしく『お座り』して 『よし』って言われるまで 犬と同じようにじっと待っとれっ!」 まったくふざけたヤツだと 思い切り怒鳴り散らしたが まだ怒りが収まらず 翌日から友人と旅行に行くチロに 朝6時半に起こして欲しい と言われてたのも 誰が起こしてやるかという気になり 「なんでもやってもらおうと思うな! 明日は自分ひとりで起きなさい!」 いささか 的外れなお仕置き (¬з¬)σ ああ 大人気ない 反省したのか ムクれてるのか 黙々と食事をした後 食べ終わった食器を片付け 「ごちそうさまでしたー」 図体ばかりデカくなっても オカンに怒鳴られるまだまだな息子は 自分の部屋に入っていった。 翌朝 ひとりで起きろとは言ったものの 待ち合わせの時間に遅れると 相手に迷惑をかけるやろうと チロの部屋の扉をあけると 「あれ もう起きてたん。 早かったね。おはようさん。」 やはり楽しい旅行となったら 自分ひとりで起きられるようだ。 「いや 早く起きたわけやない。 起こさへんて言われたから ゆうべから寝てないだけ。」 素直なのか 意地っ張りなのか ただのあほなのか 幼い頃にはよく家のお手伝いしてくれてたのに ちょっとオトナ扱いするようになったら勘違いしてやがる。そうはいくか。 ←勘違い息子におしおきクリック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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