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July 1, 2007
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カテゴリ:読む
7月1日は、こころの看護の日。


小川 洋子さんの「物語の役割」から、

この笑店に載せる記事を選ぶ時の視点としても

大切なことが書かれているお話を見つけましたので、ご紹介します。





河合隼雄さんの「ココロの止まり木」という本の中で、

京都国立博物館の文化財保存修理所を見学した折、

欠けた布を修復する際に 補修用の布が もとの布より強いと、

結果的に もとの布を傷めることになる。

補修する布は もとの布より 少し弱くなくてはいけない、という話を聞き、

カウンセリングという自分の仕事に似ていると感じた、と書いておられます。

補修する側が補修されるより強すぎると駄目なのです。


物語もまた人々の心に寄り添うものであるならば、強すぎてはいけないということになるでしょう。 

あなた、こんなことでは駄目ですよ。 あなたが行くべき道は こっちですよ、

と読者の手を無理矢理引っ張るような物語は、本当の物語のあるべき姿ではない。 

それでは読者をむしろ疲労させるだけです。


物語の強固な輪郭に、読み手が合わせるのではなく、どんな人の心にも寄り添えるような

ある種の曖昧さ、しなやかさが必要になると思います。

到着地点を示さず、迷う読者と一緒に彷徨するような小説を、私も書きたいと願っています。








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Last updated  July 2, 2007 06:51:21 AM
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