笑う温泉猫の祖師谷日記

2008/05/24(土)15:52

ふたたび「サクリファイス」

本のこと(44)

内容についての感想を書きたくなったので、 これから読もうかな~って考えている方は読まないでね。 この本はちょっとミステリー仕立てになっていますから。 「犠牲」ってなんだか陰惨な感じがするけれど、 そういうことではない、って言い切ってる。 …と思う。 主人公の『ぼく』はエースの力は持っていても、 自分がその器でないことを知っている。 主人公である『ぼく』の苦悩というより、 エースである石尾が、何の「犠牲」になったかの話だった。 「犠牲」は辛くて苦しいことではなくて、 本人にとっては必然だった。 命を掛けている世界だからこそ、 『犠牲』にもなれる。 受け身ではなくてあくまで能動だ。 『犠牲』は受け取り側の意識の問題で、 本人はいたって当たり前なことなのだ。 そうせずにはいられない心の状態。 だからそうする。 石尾のやり方が正しいかどうかは置いておいて、 そういう生き方を貫ける意志の強さは素晴らしいと思う。

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