2008/05/24(土)15:52
ふたたび「サクリファイス」
内容についての感想を書きたくなったので、
これから読もうかな~って考えている方は読まないでね。
この本はちょっとミステリー仕立てになっていますから。
「犠牲」ってなんだか陰惨な感じがするけれど、
そういうことではない、って言い切ってる。
…と思う。
主人公の『ぼく』はエースの力は持っていても、
自分がその器でないことを知っている。
主人公である『ぼく』の苦悩というより、
エースである石尾が、何の「犠牲」になったかの話だった。
「犠牲」は辛くて苦しいことではなくて、
本人にとっては必然だった。
命を掛けている世界だからこそ、
『犠牲』にもなれる。
受け身ではなくてあくまで能動だ。
『犠牲』は受け取り側の意識の問題で、
本人はいたって当たり前なことなのだ。
そうせずにはいられない心の状態。
だからそうする。
石尾のやり方が正しいかどうかは置いておいて、
そういう生き方を貫ける意志の強さは素晴らしいと思う。