カテゴリ:カテゴリ未分類
今日はおかあさんと二人で着物の展示会に行ってきました。
まるでお金持ちのような行動ですが、これには理由があるんです。 「アンタ!なにがあっても28日は空けとかないかんよ! 28日に難波で着物の展示会があるんよ!今、パンフレットで見たから間違いない! 参加者全員に国産和牛をプレゼントって書いてあるけど、これはホンマに貰えるんやろかいね?それやったら二人で行かんと損やわね!それから、2時ぴったりに会場入りしたお客様にはイタリーセレクションのバッグもプレゼントしてくれるって書いてるわ! これも二つ欲しいから、アンタも来やな一つしか貰われへんわね!せやから、ぜったいぜったい来てよ?アンタ来られへんのやったらユウジ(弟・小3)連れて行こかいね?でもユウジやったらお肉二人分貰われへんわ、きっと・・・」 と、このように母は国産和牛とイタリーセレクションのバッグを2つずつ貰うために私を招集したのでした。 言い出したらきかない人なので、私は無抵抗で難波へ。 そして、母の指示の下2時ぴったりに会場へ到着したのでした。 会場の入り口には満面の笑みをたたえた着物姿のマダムが待機していました。 「いらっしゃいませっ!!!」 私と母の姿を見るなり、彼女は最上級の笑みをうかべて和牛とバッグをプレゼントしてくださいました。ちゃんと2つずつ。 「小紋から訪問着まで、デザイナー自らが作品の説明をしております!さ、さ、中へどうぞ!今日は暑い中お越しいただいてまことに・・・」 店員さんのセールストークが始まった次の瞬間でした 「お肉もらったから帰りますわ」 母が断言しました。 もちろん手には肉の包みが握られた状態です。 一瞬ギャグかとも思いましたが、彼女はマジでした。 「やだぁ!奥様ったら!ウホホホ!」 マダム店員は母の常軌を逸した発言を「奥様のユーモア」だと解釈したらしく、声をあげて笑いました。 「いや、家も遠いしお肉くさったらあかんし帰りますわ」 一瞬にして凍りつく店員の笑顔。 本当はすぐにでも「肉かえせ!」と言いたい気持ちだったのでしょうね。 でも、そこはやはり大人の女性です。彼女は無言でひきつり笑いを続けていました。 私はすぐにでも土下座であやまりたい気持ちでした。 母はというとすでに出口を目指して猛進中です。 「あの・・・なんかすいません・・・」 私はひとことそう呟き、会場を後にしました。 マダム店員は最後まで冷静な態度を保っていました。 (本当にごめんなさい・・・いつかきっと着物を買いにきます・・・) 私は心の中で誓いました。 「アンタ何しとんの!ちょっと!これ見てみ、すごいでホラ!」 先に会場を出て行った母が大声で私を呼ぶのが聞こえました。 彼女は二枚の封筒を手に持ち、それをバサバサ振りかざしていました。 「さすが大手やわ!やっぱりやる事がしゃれとるわね!」 『お足代』と書かれたその封筒には、それぞれ千円札が二枚ずつ入っていました。 どなたかうちの母をなんとかしてください・・・ それなりのお礼はします・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|