カテゴリ:路線レポート・鉄道その他
「その1」に引き続き、明治期の車両を掲載していきます。
「1290形1292号機関車」です。この機関車は1881年(明治13年)製で、主に鉄道建設工事や入換用として活躍しました。展示されている1292号は東北本線などを開業させた日本鉄道が工事用に導入したもので、「善光号」の愛称で知られています。 この機関車は日本鉄道から鉄道院に引き継がれ、後に東武野田線の前身である千葉県営鉄道野田線で資材輸送用などとして活躍しました。「善光号」の知名度があったことから、廃車後に保存されることとなり、1942年(昭和17年)に東京・神田の交通博物館に移され、2007年からは鉄道博物館で展示されています。 「ハニフ1」形です。この車両は、現在の中央本線の一部を開業させた「甲武鉄道」【1906年(明治39年)国有化】が1904年(明治37年)の電化(飯田町~中野間)に合わせて製造した、「デ968形」という電車を改造したものです。 甲武鉄道は都市内の路面電車的な電車とは一線を画す、都市と郊外を結ぶ通勤電車的な電車を日本で初めて運行し、「郊外から都市への電車による通勤」というスタイルを確立させたことで知られ、「国電の始祖」ともいわれています。 デ968など甲武鉄道時代の電車は、国有化後にさらに大型の車両を導入したことで余剰となり、各地方の私鉄などに譲渡されていきました。この車両は現在の大糸線を開業させた信濃鉄道(現在の「しなの鉄道」とは別会社)に譲渡され、さらに現在のアルピコ交通上高地線(松本電鉄線)を開業させた筑摩鉄道に譲渡されました。筑摩鉄道時代に荷物室を設ける改造を受け、「ハニフ1」に形式を変更しています。 筑摩鉄道→松本電鉄では、廃車後も長らく保存されていましたが、国電の始祖としての価値を認められ、晴れて鉄道博物館入りすることができました。この車両は復元が困難なことから、現在は筑摩鉄道時代のまま展示されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.01.16 15:20:05
[路線レポート・鉄道その他] カテゴリの最新記事
|
|