青梅鉄道公園の保存車両~その2
今回は、青梅鉄道公園に保存されている蒸気機関車のうち、大正時代に製造された8620形と9600形を掲載します。8620形のトップナンバーである8620号です。8620形は旅客列車にも貨物列車にも使用できる汎用性の高い国産蒸気機関車として1914年(大正3年)から製造開始され、主に東海道本線や東北本線などの幹線で活躍しました。昭和初期からは地方線区への転出が始まり、戦後は主に地方での貨物列車牽引や入換用に活躍し、国鉄での蒸気機関車の末期にあたる1960~1970年代まで残った車両もありました。現在でもJR九州に58654号機が残り、「SL人吉」などの観光列車として活躍していますが、SL人吉は2024年3月で運行を終了することがアナウンスされています。また、2020年には人気アニメ「鬼滅の刃 無限列車編」に登場する「無限列車」の牽引機関車のモデルになったといわれています。8620形のトップナンバーとなるこの車両は1914年(大正3年)に汽車製造で製造されました。ナンバープレートです。番号下部に「形式 8620」と刻印されています。9600形9608号です。9600形は国産初の貨物列車牽引用蒸気機関車で、1913年(大正2年)から製造開始されています。それまでの輸入蒸気機関車を参考にしながらも日本の路線状況を考慮した設計とされ、主に幹線での貨物列車牽引に活躍しました。後継の蒸気機関車と比較すると速度は劣るものの、強力な牽引力が評価されたため戦中は中国や樺太に送られた車両も存在し、戦後は主に石炭輸送列車の牽引機として北海道や九州で活躍しました。この9608号は、日本国内に現存する9600形のうち最も番号が若い車両となっています。1913年(大正2年)に川崎造船所(川崎重工業を経て現・川崎車両)で製造されました。ナンバープレートです。番号下部に「形式 9600」と刻印されています。