わすれな草 ~伝えたくて~

2006/02/25(土)10:52

ミナミの水玉 第2章

私のペンネームの由来は、南の国「沖縄」で生まれた。 それも、沖縄本島じゃなくて、 石垣島って言う、小さくて、 山と、猛毒を持つハブ以外何も無い辺鄙な島だった。 私は、その時2年越しの恋に破れて、傷心旅行に出かけていた。 いや、傷心旅行と言うよりも、 自分を消しに行ったって言うのが正しいかもしれない。 ここなら死ねる。誰も見つける人は居ない。 死ぬ材料は、何処にでも転がっている。 あの崖から海に身投げしても良いし、 ハブに嚼まれて毒が身体に回るのをじっくり待っても良い その為に、今住んでいる場所も生活感が残らないように片づけてきた。 もう、恋なんて出来ない。 絶対に出来ない。 散々、男に貢いで、貢いで、 身体も、心も、お金も貢げるだけ貢いで ボロ雑巾のように捨てられた。 三流ドラマみたいだけど、 もう、何もかもが、どうでも良かった。 今まで私が好きだったアイドルも、 素敵なカフェも、生きる為だけにやっていたバイトも、 全部が、くだらなく思えた。 そして、一日中、死に場所を探して島中を歩き回った。 歩き回ったって言っても半日あれば、 歩いて一周出来るような 小さな島だったので大したことないけど・・・ 散々歩いて見つけた場所は、綺麗な砂浜だった。 海が澄んだ水色で、遠くに行けば行くほど濃い青になって、 砂は、絵の具の白よりも真っ白で、 その日の空は飛んで行けそうなくらい綺麗だった。 もう少しで楽になれる。 心の中のドロドロした記憶も、楽しかった夢も この砂浜に捨てて、 私はこの、景色のように綺麗になるつもりだった。 「そろそろ、この景色からもお別れだね」 誰もいない砂浜に向かって声をかけた。 当然何も返ってくるはずも無く、 波の音を静かに聴いてた。 そして、服を着たままゆっくりと前に前進を始めた。

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