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gaycomニュース掲載記事(石坂わたる執筆分)

2006年10月24日
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 8月の東京レズビアン&ゲイパレードには2292人の参加者が集まった。そうした中には同性愛者の車椅子のグループや精神障害者のサークル、聴覚障害者(聾者など)、視覚障害者(全盲の方など)の参加も見られた。パレードに参加をする障害者の数は、まだ数が少ないが、パレードに参加をしたくても参加ができない、あるいは、パレードの存在を知らない障害を持つ同性愛者も少なくないだろう。

 同性愛者に関する情報はインターネットのwebページや、雑誌記事・書籍など活字情報が大半を占めている。テレビやラジオで情報が流れることはほとんどなく、点字に点訳をされていたり、カセットテープなどに音訳されている情報も全くといっていいほどない。パレードに関する情報も同様である。

 全盲の方の場合、パソコンと音訳ソフトを用意できるだけの経済的に恵まれた環境にある人を除き、同性愛者に関する情報を手に入れることはほとんどできない状況にある。(ひらがな・カタカナ・漢字の読み能力が限られていたり、文章読解力が不十分な知的障害者の場合にも似たような問題が起こるかもしれない。)

 また、パレードの会場のある代々木公園の最寄り駅である原宿駅・明治神宮前駅は共に、エレベーターだけで駅構内から外に出ることができず、車椅子を使用する場合は、駅員についてもらう形でエスカレーターや階段に設置されたリフト「エスカル」などを使用するしかない。また、会場までの移動、パレードの参加にあたり、移動のための介助者を頼む場合、同性愛者で介助に応じてくれる知り合いがいればいいが、そうでない場合、介助者にカミングアウトをしたうえで、パレード参加のための介助をお願いするしかない。これは容易なことではないだろう。(なお、パレードの会場となっている代々木公園の場合は、会場まで車などで乗りつけ、そこから
、代々木公園事務所が所有する車椅子を複数名が借りて利用しようとした場合に、事務所には2台しか車椅子が置いていないという問題もある。)
 
 今回車椅子で参加をしたJanusさんは
「LGBTの中にも障害を持ってる者もいるのだと、 存在を内外にアピールできる場であるパレードで、今回は、視覚や車椅子などの色々な障害を持つ多くのLGBTと出会うことができ、それを一つのきっかけとしたい。」と述べていた。また、中途障害の熊太郎さんは
「パレードに参加をする自分の姿を見て、昔からのゲイの友人が驚いていた。開放的な空間で一緒に歩けてよかった。」と語った。

 また、障害を持つ参加者の中からは「そのうち、障害者がフロートの上などにも参加できるようになるといいんじゃないか。」そんな声も聞かれた。

 当日、車椅子の方の介助をされたカヅオさんと、全盲のゲイの友人と一緒にパレードを歩いたエイジさんはそれぞれ、
「率直に思うのは、障害を持つ方の役に立ててよかったということです。 障害のある方の車椅子を押すのは僕でなくてもできることだと思います。もし僕が参加していなけれぱ、他の人が押していたはずです。たまたま今回は僕が押したというだけのこと。でも、そこにはいつも誰かの手が必要で、ただ今回はそれが僕の手だったという、それだけのことだと思います。」、
「障害のある人にもLGBTがいる、またはLGTBにも障害を持つ人がいるというのは当たり前のことなんだけど、沿道で見ている人にその当たり前さが伝わるといいと思う。」と感想を述べていた。

 これまで、パレードをはじめ、一部の同性愛者のイベントでの手話や外国語が使える案内係や手話通訳者を置いたりすることで、少しずつバリアフリー化が進められてはいる。しかし、まだその恩恵を受けることができるのは障害者の中でもごくわずかである。より一層のバリアフリー化を待っている人たちが潜在的なニーズも含めてあるのではないだろうか。また、障害者に限らず、体力の低下した高齢者の参加などにも優しいゲイイベントのあり方なども将来の私たちの課題として考えていけるといいのではないか。
 そうすることで、老若男女・障害や病気の有無に関わらず、誰もが幸せな生活を送れるゲイコミュニティ・マイノリティコミュニティが広がっていくのである。

以下の写真は大阪レインボーパレードのもの

osaka1 osaka2 osaka3 osaka4






最終更新日  2006年11月16日 20時20分55秒
2006年10月23日
真っ白い部屋に、窓から差し込む光、そこに浮かぶ写真。真っ白な背景に、赤ん坊を抱いた男性の写真が並ぶ。

 赤ん坊を抱きながら、パートナーとキスをするゲイカップル、母親がわが子に授乳するように、自分の乳を吸わせる男性、赤ん坊にほおずりをするドラァグクイーン。ハスラー・アキラの『milk(2006年作)』はゲイとしての自分自身を受け入れ、結婚をして子どもを生むという生き方ではなく、ゲイとして胸を張って生きていく生き方を選んだ人が、自分たちの中でどのようなミルクを蓄積し、そのミルクを通して次の世代に何を伝えられるのかそんなことを問うている。

 しかし、他の写真が幸せそうにしている中で、2枚のドラァグクイーンの写真だけが、まるでトランプのジョーカーのように他の写真とは違う雰囲気をかもし出している。笑っているわけでも、怒っているわけでもない。決して機嫌がよさそうには見えないその写真が「ゲイの人はなんとなく幸せにしている。でも、親や周囲の人に自分のセクシュアリティを伝えられずに“まぁいいか。”などと言う状態で、完全に自分の生き方を受け入れきれずに生活をしている。果たしてそれで本当に幸せなんだろうか。」そんな疑問を私たちに伝えている。

 13人の芸術家と1つの工房が参加をしている「lifeライフ」は、障害者や同性愛者など、様々な背景の人が、織物、音、焼き物、写真、絵、彫刻、マンガ、VTRなど様々な作品を作り上げている。それぞれの部屋は独立した作りのようでいて、ちょっとずつ他の部屋に、作品や音や雰囲気がはみ出している。世の中には色々な人がいて、色々な人の間には境界はない。それが障害者であっても、同性愛者であっても。life生きることと芸術の境界が無くなるときに広がる世界。そんな想像が沸き起こる作品展となっている。

 この「lifeライフ」は 水戸芸術館現代美術ギャラリー (茨城県。常磐線<長距離線>水戸駅下車後北口よりバス大工町方面行きに乗り和泉町一丁目下車すぐ。あるいは東京駅八重洲南口より三戸行きのバスにて「泉町1丁目」(京成百貨店前)下車。) にて10月9日(祝)まで開催。出品作家(13名)はハスラー・アキラの他に、今村花子(平面)、岡崎京子(マンガ)、川島秀明(平面)、齋藤裕一(平面)、佐々木卓也(平面)、舛次崇(平面)、棚田康司(立体)、西尾康之(立体)、HEARTBEAT DRAWING, SASAKI(ドローイング/インスタレーション)、日野之彦(平面)、山際正巳(立体)、吉永マサユキ(写真)。また、工房「集」が団体として出展している。なお、同性愛者を描いた作品としては、岡崎京子のマンガにも、カミングアウトの1場面が登場している。






最終更新日  2006年11月16日 20時00分36秒
2006年10月16日
 東京や札幌で行われたパレードには、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の本人以外にも、LGBTの生徒を受け持ったことのある教員、LGBTの声を拾い上げようとする政治家、LGBTの子どもを持つ親など、様々な立場の人が参加をしている。

 家族の参加については東京のパレードでは今年初めて、LGBTの家族と友人をつなぐ会という形で、LGBTの子どもを持つ家族などのグループの参加があった。札幌のパレードでは、早い時期から毎年、同性愛者の子どもを持つ母親たちが何人か集まって一緒に参加をしており、2003年にはパレード公式イベントとして札幌「親の語る会」が開催された。そして、2005年に実現できなかった、おむすびやさんブースが今年初めて実現された。パレード当日は、お母さんたちが朝7時から集まって100個のおにぎりと豚汁を作り、受付開始前の10時から販売を開始した。たくさん作るということよりも、「やること、交流に意義がある」という趣旨で、今回のおにぎり握り隊の活動が行われたが、予想以上の売れ行きで午前中に完売してしまい、その後も「え~っ、売り切れちゃったのぉ!買いたかったのに!」という声が続出。来年はパレードを歩き終えて大通り公園に戻ってきた人の手にも暖かい豚汁と愛情のこもったおむすびを届けたいとのことで、300個は作りたいとのこと。(ちなみに、おにぎり販売の収益はパレードの運営資金に当てられる。)

 なお、おにぎり握り隊に参加をしていたお母さんの一人に、パレード終了後のプライド集会で、協賛団体のラブピースクラブから、ラブピースクラブ賞が授与され、電動バイブレーターとローションが贈られた。賞を受けたお母さんはステージの上で「どんなに言い合いになっても、こそこそしていないで、思い切って(親に)カムアウトしちゃいなさい。そして協力してくれる人を増やして欲しい。親なんてたいてい先に死んじゃうんだから、思い切ってぶつかってみなさい。自分の決めた道を自信を持って進んで欲しい。」という自分の思いを熱く語った。

 また、東京レズビアン&ゲイパレードでは東京の区議会議員がシンポジストとしてパレード前の集会に参加をしたり、東京から選出された国会議員がパレードに私的に参加をしたりしていた。札幌レインボーマーチでは上田札幌市長がパレード後の集会でスピーチを行った。上田市長は2003年の市長選挙の際に、第7回レインボーマーチ in 札幌 実行委員会が行った「札幌市長選挙の立候補者への公開アンケート」に対して、『(レインボーマーチについて)メッセージを差し上げるなど私にできる形で連帯を表現したいと思います。』と回答し、当選後は、毎年欠かすことなくパレードのあとの集会に参加をしてスピーチをしている。(今年で4回目のスピーチだった。)

 今年の上田市長のスピーチは母親へのメッセージに多くの時間を割いていて、
「セクシュアルマイノリティの子どもを持つお母さん方、困難なことは多いでしょうけれども、偏見に負けず、決して自分の子どもを恥じないで欲しい。人権は黙ったままではもらえない。当事者から声を上げて欲しい。そしてセクシュアルマイノリティの人権とともに、(同じような社会的マイノリティである)障害者の人権、経済的弱者の人権などについて、皆さんの立場から考えて欲しい。」というような内容だった。

 市長の控え席では、親の会に参加をしているお母さんたちと上田市長が話をしている姿も見られた。今後の札幌市制の中で、LGBT当事者のサポートはもちろんのこと、家族のサポートについても検討されるようになることが望まれる。

写真は札幌レインボーマーチ。中央写真がお母さん達のおにぎり屋。

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最終更新日  2006年11月16日 19時51分50秒
2006年10月15日
 8月12日(土)におこなわれた東京レズビアン&ゲイパレード2006や翌13日(日)に行われたレインボー祭。既に、ゲイメディアなどで報じられているように全国各地からのべ8,000人の人が集まり、パレードの公式プレイベントやアフターイベントも盛況に終わった。

 しかし、今回は、公式イベントはもちろんのこと、それ以外にも全国から多くの人が集まるパレード等にあわせて、様々な団体や個人が様々なイベントを開催した。今回の記事ではパレードとともに開催されたイベント、開催されるイベントについて焦点を当てることにした。

 パレードの後に東京オリンピック青少年センターで行われたLGBTの家族と友人をつなぐ会主催の交流会では、北は北海道、西は四国・九州まで、LGBT(ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー)の本人、LGBTの子どもを持つ家族(母親や、父親、姉)、LGBTの友人がいる人、セクシャルマイノリティのためのサポート活動を行っている異性愛者など50名近い参加があった。

 この交流会に参加した、ゲイの息子を持つ母親は「いろいろな立場・地域の人の声が聞けてよかった。やり方は違っても、みなの目指す方向は一緒なのだから、それぞれが自分の置かれた環境に応じて可能な範囲でできることを、行っていくと、少しずつ世の中が変わっていくのではないか。セクシュアリティについて悩んでいる人が相談できる場所が近くにあることが大切だと思うので、いろいろな地域でこのような会が開けるといいのではないか。今日の参加者が今後も連携して取り組んでいけたらいいと思う。」と交流会の終了後に感想を語った。

 また、レインボー祭の日の昼間に中野にて行われた、STN(セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク)の学習会には教員や教育学の研究者など約60名の参加があり、尾辻かなこ大阪府議会議員と学術振興会の谷口洋幸氏が報告を行った。尾辻府議はスイスで行われたILGA(国際同性愛者連盟)世界会議の参加報告、ロンドンにて行われた「ホモフォビアによるイジメに対する学校での取り組み」についての会議の参加報告、ロンドンで入手した、ロンドン市の教育委員会が教員に向けて作っているDVDの解説などを行った。

 ロンドン市長も製作に関わったこのDVDは「教員や、学校に勤める教員以外の職員も、生徒が同性愛者を嘲笑するような言動をしているときやいじめを行っているとき、毅然と生徒に指導をしなければならない。そうしなければ、大人が追認したという印象をいじめている側の生徒や傍観者となっている生徒に与えてしまい、いじめがエスカレートいていく原因になる。」という事など、教員が見につけておくべき心がまえやスキルを具体的に伝えている。続いて、学術振興会の谷口氏からは「モントリオール大会」(2006年outgames<<LGBTやその支援者によるスポーツの祭典>>にあわせて開催され、法律家や法律の研究者によって「人権問題」を主題に話し合われた。)の報告が行われた。この大会で定められたモントリオール宣言では同性愛者について「嫌悪犯罪の防止・調査・処罰」や「人権活動家の保護と政治・財政的支援」などがうたわれた。
 
 この宣言は法的拘束力を持たないが、100カ国から1600名が参加。国連の人権高等弁務官も参加をしており、国際的な外圧としての効果が今後期待できるとのこと。また、この会議ではアジア地域の参加者から「LGBTが沈黙を強いられる環境にある。LGBTは自らのセクシュアリティを隠し、結婚をして、沈黙を続けざるを得ないが、それは幸せには繋がらない。だからといって、米国型のゲイリブをそのまま持ち込むのも国の文化的に難しい。」という発言があったということで、今後日本を含めアジア型のゲイリブの形が模索されるようになるのかもしれない。さらに、「先進国の中で、日本人セクシャルマイノリティの国際的な大会への参加者が少ない。」という指摘が他の国の参加から日本の参加者に対して意見として寄せられたとのことだった。

 なお、9月17日(日)に行われる札幌のパレード「第10回 レインボーマーチ」では、公式イベントとして、ゲイの劇団フライングステージによる「二人でお茶を~tea for two~」が公演される。年に一度東京からやってくる妻子持ちのゲイと札幌在住のゲイ(母親と二人暮し)。年に一夜だけ二人が会って過ごす時間×25年間。今年で10周年となる札幌のパレードも二人の会話に当然のように登場する。






最終更新日  2006年11月16日 19時24分35秒
2006年10月01日
 9月2日の東京新聞の「東京発」のコーナーで「『東京五輪』招致 石原都知事に聞く」という見出しの記事が掲載された。

 この記事は来年4月の統一地方選挙での3選を目指して、都知事選への出馬を明言した石原慎太郎東京都知事知事(現在2期目)へのインタビュー記事として書かれており、2016年夏季オリンピックの東京開催を目指して、石原都知事が
・オリンピック招致のための外交
・都民へのオリンピック開催にむけた機運の高揚やメンタル面での鼓舞
・オリンピック開催に相応しい都市づくり
などについて、今後の都政(あるいは、都と国との連携についての)重点課題として挙げている。
 この「都市づくり」に関して、東京新聞の記者が
「五輪で都市力を高めていくのか。」
という質問をし、これに対し、石原都知事は
「(前略)景観、美観。水辺をどうするとか。開発で日本中の川は死んじゃったんだけど。これから東京でなく日本全体で水辺の空間、川の護岸の形を変えていかなくては。それで観光資源もできる。

 メンタル面では、日ごろの情操を培う基本的なものを精錬するとかね。新宿の二丁目と歌舞伎町は美観とはいえないよね。銀座でもごてごてと色があるし。景観法ができたし、規制力のある条例を今年中に作ります。」
と答えている。

 都の試算では、2016年に東京でオリンピックを行なうと、その経済効果は全国で約2兆8千億円とみている。世界が開催をもくろむ理由の一つが、「五輪は商売になる」からでもある。

 今後、オリンピックの招致に向けて新宿二丁目付近の再開発が一気に加速する可能性がある。この流れによって、日本最大のゲイバー街が壊滅的打撃を受けることにもなりかねない。

 しかし、都知事の考える「美観」には該当しないのかもしれないが、新宿2丁目は戦後、店舗数としては世界有数の規模であるゲイバー街として発展し、2000年からは、新宿二丁目振興会を中心とし、ゲイ・レズビアンのためのイベントで「レインボー祭」が開催されるなど、新しい街づくりや文化が培われる場ともなっている。今後は新たな経済活動が生み出される可能性をも秘めている。一方、インターネットの普及、カムアウトのハードルの低下によって、旧来ほど、ゲイバーの役割は求められていないという意見も出始めているのもまた事実である。

 「同性愛者が集う場所である新宿2丁目を取り壊して、再開発をすることが、もっとも経済効果が上がる方法なのか」
あるいは、
「現在の新宿2丁目発あるいは東京都ゲイコミュニティ発の経済効果や今後の将来性、活かし方はどの程度考えられるのか」
ということを、しっかりと検討してみることが大切なのではないだろうか。

 たとえば、同性愛者の国際的なスポーツの祭典である、ゲイゲームズの経済効果はとある研究によれば2002年11月のシドニー大会で一億ドルという数字も出たという。

 オーストラリアではゲイゲームズが開催される時には、ホテル経営者や航空会社が、オリンピック以来の一大イベントに向け躍起になり、地元でもゲイゲームズ開催に合わせ各種イベントが用意され、ゲイゲームズのもたらす観光客と経済効果を歓迎していた。

 確かにゲイゲームズだけでは、その効果はオリンピックほどには及ばない。しかし、オリンピック招致に向けて整備した環境や、オリンピック開催のために作った施設、そして新宿2丁目の街を生かして、ゲイゲームズを東京に招致して、さらに経済効果を上げるという方法もある。「そろそろ日本経済も、同性愛者の存在をマーケットとして認識してもいい時期に来ているのではないだろうか。その先鞭をつけるのが新宿2丁目を始めとするゲイバー街を抱える東京であってもよいのではないか。」という声も聞かれるようになり始めている。「規制力のある条例」が年内にできたとしても、実際に効果を発揮し始めるのは来年度(2007年4月)以降になることが予想される。来春の都知事選挙で誰が都知事として当選するのか、国際都市東京にある国際的に有数なゲイバー街新宿二丁目の存続は有権者である都民の手にかかっている。






最終更新日  2006年10月09日 20時28分52秒
2006年09月05日
「赤よ!赤こそセックスの色。あんたが作るのはブーツではなくて、75センチのセックスなのよ!」、同性愛者の知人を持つことすら隠したがる田舎のノンケ青年は、大都会ロンドンから訪れた大柄で派手なドラァグクィーンからその言葉を浴びせられてどんなに肝を冷やしただろうか。

 靴作りの才能もなければ、性格も優柔不断。それでも、父から相続した靴工場をなんとか立て直そうとするチャーリー(ジョエル・エドガートン)。そんな彼は、ショーで履くのにちょうどいいサイズの女物のブーツがなくて困っていたドラァグクィーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)と出会うことで新製品の製作に着手する。そして、二人がアイデアを出し合い、ぶつかり合っていく中で、男性でも履けるようなスーパーヒールの真っ赤でセクシーなブーツができ上がる。

 そして、これらのドラァグクィーン好みのブーツでミラノ見本市に挑む中で、気弱なチャーリーは退路を断って挑戦する決断力を手に入れ、ローラは父親から男らしくあることを求められた過去を乗り越える。そして、「常識」にとらわれていた工場の従業員たちも二人の姿に自分たちの偏見をぬぐっていく……。

 男性用のセクシーブーツやパンプスで成功した紳士靴メーカーのブルックス。物語は1990年代に4代目社長スティーブが直面した倒産の危機の実話が元になっている。高いヒールの真っ赤なエナメルのブーツを作って欲しいという男性からの電話を受けたことをきっかけに、スティーブは一人でリサーチ、デザイン、製造設備の整備を行い、男性用セクシーブーツの製作に取り掛かった。体重の重い男性が履いても折れないピンヒールを工夫し、モデルを引き受けてくれる人がいないために自ら脛毛を剃ってモデルも務めた。

 そして、見本市への出品を成し遂げると、スティーブは絶賛され、多くのメディアに取り上げられ、彼の挑戦が「キンキー・ブーツ」として映画化されるに至った。

 なお、この映画では、脇役ながらも、典型的な「馬鹿ノンケ」である工場労働者のドン(ニック・フロスト)と、無知なようでいて実はセクシャルマイノリティに寛容な、ホテルの掃除婦メル(リンダ・バセット)の二人の姿の対比が印象的に描かれているところもおもしろい。


公開劇場一覧
【東京】シャンテシネ      上映中
【大阪】OS名画座       9/2公開
【名古屋】伏見ミリオン座    9月公開
【福岡】ソラリアシネマ     9/23公開
【札幌】札幌シネマフロンティア 9/9公開








最終更新日  2006年10月09日 20時23分12秒
2006年09月04日
 キャリアウーマンのメレディス(サラ・ジェシカ・パーカー)はクリスマス休暇のために、彼女は恋人のエヴェレットと共に彼の実家を訪れた。また、メレディスの妹のジュディー(クレア・デインズ)も招待され、共にエヴェレットの実家で過ごす。

 しかし、ジュディーがエヴェレットの家族になじんでいくのに対して、家族の絆を大切にするエヴェレットの家族とメレディスとはなかなか肌が合わず、メレディスは溶け込むことができない。一つ一つの言動が裏目裏目に出てしまうのである。そして、夕食の席での失言によって、エヴェレットの両親ら家族全体から総スカンを食らってしまい、エヴェレットからも冷たい言葉を受ける。

 メレディスはエヴェレットの実家を飛び出し、心配したエヴェレットの弟ベンがメレディスの後を追う。その後、エヴェレットはジュリーと一緒にメレディスとベンを探しに、ホテルのメレディスの部屋へ行くが二人の姿はない。そのころバーでは、酔っ払ったメレディスをベンがなぐさめて元気づけていたのである。一方、二人を探しながらエヴェレットとジュリーは、心を通わせ始めていた。

 そして、翌日メレディスとベン,エヴェレットとジュディーという新たなカップルが誕生する。このストーリーは一見して、どこにでもありがちなストーリーなのだが、映画の中に印象的なシーンがいくつかちりばめられている。
 
 というのも、メレディスがエヴェレットの実家で一緒に食べた夕食でのこと、その夕食にはエヴェレットの末の弟サッド(聴覚障害者で同性愛者)とその恋人パトリック(アフリカ系男性の同性愛者)とが同席をしていた。エヴェレットの家族は性的指向は利き手のようなものと考えていたのだが、その夕食の席でメレディスはこう言い放ったのである。
「お母さんは大変だったでしょう。同性愛者という困難な障害を抱えた息子を持って。どんな親だって、子どもが余計な困難を抱えずに生まれ育つことを望んでいるはず。」
と。それに対して、エヴェレットの両親は怒りの感情をあらわにするが、メレディスはエヴェレットに
「私は悪気があっていったわけではない。」
と弁明する。しかし、悪気さえなければ許されるという問題ではないことに彼女はなかなか気付けない。
 
 一方、サッドとパトリックの存在を受けいれようとし、二人は幸せなのだという事を信じようとしているエヴェレットの両親も
「でも、サッドとパトリックは将来もずっと幸せに暮らせるのだろうか。ひょっとしたら不幸な目に会うこともあるかもしれない。」
と不安を抱いている。
 だからこそ、幸せだと信じつつも抱えている不安を、指摘されたときにそれがあまりに図星であるがゆえに怒りをあらわにしたとも言えるだろう。
 
 今回の映画について、「同性愛者の事を散々馬鹿にしたメレディスが最後に幸せになるのはおかしい。」という声も聞かれる。確かにその感想はもっともである。ただ、この夕食のシーンを切り取ったとき、そこには現在の同性愛者の子どもを抱える家族の不安と、異性愛者の無知がとてもうまく表現されているのである。







最終更新日  2006年10月09日 20時19分06秒
2006年09月03日
 8月4日(金)~8月6日(日)の3日間、神奈川県民センターにて行われていた「第13回AIDS文化フォーラム in 横浜 」が終了した。
 このエイズ文化フォーラムは1994年に横浜で開催された「第10回エイズ国際会議」に並行して、草の根の市民版エイズフォーラムとして行われたことをきっかけとして、毎年神奈川県民センターにて行われている。
 共催団体に神奈川県、後援に神奈川県教育委員会などが名連ねているが、行政は会場の提供のみにとどまり、主催は横浜商工会議所、横浜いのちの電話、横浜青年会議所、カトリック横浜教区などによって構成されるAIDS文化フォーラムin横浜組織委員会によって行われている。そのため、発展途上国のエイズ孤児への支援や大学生による高校生へのピアエデュケーションなどと並んで、コンドームの使い方や、同性愛者に関する分科会などもあり、合わせて50近い分科会が開かれ、20団体による展示も行われた。

 泌尿器科の医師であり、AIDS文化フォーラムin横浜組織委員会委員長の岩室さんは、自身が講師をする分科会で、
「梅毒、尖圭コンジローマ、性器ヘルペスウイルス感染症、A型肝炎などはコンドームを正しく、失敗なく使っても、予防できないことがある(コンドームに覆われていない部分での感染の可能性があるため。特にヘルペスはキスだけでも感染する)。クラミジア、淋病、HIVはコンドームでほぼ確実に防げる。」、「コンドームの袋を破るときはコンドームを袋の端に寄せてから袋を破り、袋の中のコンドームを押し出して取り出すようにする。(コンドームが袋の中央にある状態で袋を破ったり、袋を破ったあと、袋の中からコンドームを指で引っ張り出したりしてはいけない。)」
といったことを、実際に高校生を対象とした実践で使用しているプレゼンテーションソフトを使いながら解説した。

 また、アイデンティティハウスのカミングアウトコンサルタントかじよしみさんは『同性愛カミングアウト無料電話相談』開設6ヶ月報告」というタイトルで6ヶ月にわたるこれまでの電話相談の報告をした。
「身近な人が同性愛者であることを知って悩んでいる人々は多くのニーズを抱えているが、電話相談などを必要としている人たちに、相談に関する情報を届けるための手段が不足している。また、同性愛者本人からの相談の多くは、同性愛者コミュニティへのアクセスがしにくく、孤立している人々(自分の同性愛性を受け入れられない、既婚、高齢、コンピューターが使えないなど)からのものが多い。」そして、自分の子どもがゲイ・レズビアンと知った親への基本的なアドバイスとしては「同性愛は、自然なもの。直せない。」、「親の育て方が悪かったわけではない。」、「よい親子関係のためには、受け入れることが望ましい。」
という3点をあげた。

 今年もエイズ文化フォーラムは全国から様々な背景を持つ人が集まり、様々な分科会が実施されたが、閉会式ではぷれいす東京の池上千寿子さんも参加し、様々な人が連携していく「つながる空間~Living Together~」を合言葉に閉幕した。

 来年のエイズ文化フォーラムは2007年8月3日(金)、8月4日(土)、8月5日(日)に同会場にて行われる予定。







最終更新日  2006年10月09日 20時14分37秒
2006年09月02日
飲み屋を数多く抱える新宿二丁目にあるコミュニティースペースakta。夕方の16時オープン(クローズは22時)で、お酒を介さずに友達や話し相手、相談相手を見つけることができ、HIV・AIDS、イベント、学習会、サークルなどに関する多くの情報も手に入れることができる。そんなaktaには老若男女様々な人が出入りをするが、なかでも、まだお酒の飲めない10代や20代前半の若者が数多く訪れる。時には平成生まれの青年の姿も見られる。

 そんなaktaで東京レズビアン&ゲイパレード主催の展示が行われている。この展示は「性的マイノリティの30年とパレードの歴史」というテーマで、パレード前日の8月11日(金)の夜に行われるオープニングパーティ(会場:新宿2丁目のゲイバー九州男及びコミュニティーセンターaktaの2会場)に合わせて、8月6日(日)~8月19日(土)まで行われる。

 この展示では10代のゲイにもなじみのある、HIV・AIDSに関する話や東京パレードの復活などのテーマだけでなく、1970年のアメリカ初のゲイパレードにつながる1969年のストーンウォール事件(同性愛者がゲイバーへの警察の手入れに対してはじめて抵抗したという事件)、ハーヴェイ・ミルク(ゲイの活動家としてサンフランシスコ市の市政執行委員に当選したが、1978年に殺害される。)、など30年程前の海外の同性愛者の状況についての写真や資料の展示、国内については今はなき薔薇族・アドン・さぶ・Eve&Eveなどのゲイ・レズビアン雑誌の初期の頃の号の展示など希少な書籍や記事などが展示されている。

 「え、昔はこんな風だったんだったっけ?」というようなものもあれば、「同性愛者の老後への不安」や「パートナーシップ保障の問題」など、1980年代から不安視されていながらも未だ解決の糸口がつかめていないような耳の痛い古い記事なども展示されている。

 見る人によって、この展示は昔懐かしい出来事を振り返る契機となったり、自分が生まれる前の日本のゲイシーンについて知るきっかけとなったりするのだろう。実行委員やボランティア、協力者などの間では開催準備段階から、すでに社会人歴の長い年長のメンバーから、学生メンバーへと70年代、80年代の日本のゲイシーンについて解説がなされる場面が見られた。aktaはテーブルに座ってお茶を飲みながら、スタッフの人や他の観覧者と会話をしやすい雰囲気のあるスペースなので、開催期間中もこの展示企画をきっかけに世代を超えた交流が生まれるといいのではないか。そうすることで、1980年代から宿題として残されてきたことを少しずつ解決していけるきっかけを作ることができるのではないだろうか。






最終更新日  2006年10月09日 20時10分02秒
2006年09月01日
夜の新木場駅周辺は僅かながらの商店や飲食店が開いているが、それ以外は営業を終えて真っ暗な人っ気の無い材木店などが立ち並び、広大な暗い公園が広がっている。

 駅周辺にいる人は帰宅するために新木場駅に向かう人がほとんどで、新木場駅から降りて来る人もたいていがバスに乗り換える人。駅から歩いて家路に就く人の姿はない。新木場駅付近の町丁の人口を調べてみると、若洲・夢の島・新木場1~4丁目の人口を全て合わせてもわずか51世帯65人。しかしなぜか、遊べるような所も無さそうなのに、10代と思しき少年たちが何とはなしに集まっている。

 そんな人の住まない町の駅から程近いところに新木場のハッテン場がある。人目を気にせずにゲイが集える場所にもなりうるが、この場所は誰の目にも触れることなくどんな凶悪犯罪も起こりえるんじゃないか。そんな臭いのするところである。

 ここで、7月8日に事件は起こった。東京・江東区の夢の島公園で、ゲイ男性に暴行を加え40日の怪我を負わせ、現金を奪うなどしたとして、警視庁城東署が強盗傷害容疑で、高校3年の男子生徒ら少年4人を逮捕した。また、4人組は男性を襲った直後、約400メートルほど離れた同運動場内で別の男性も襲い、2週間のけがを負わせた。はじめに襲われた男性の110番通報で駆け付けたパトカーのサイレンが聞こえたため、2人目の男性からは現金を奪わず逃走したが、間もなく4人組は同運動場内で捜査員に取り押さえられた。

 この夢の島のハッテン場では平成12年2月10日にゲイ男性が撲殺され、所持金800円が奪われる事件があった。強盗殺人容疑で逮捕された高1の少年を含む3人は、やはり「同性愛者なら警察に届けないと思った」と供述していた。警察によると「地元の不良少年の間では『同性愛者を狙えば簡単』というのは共通認識のようだ」とのこと。また、ゲイ同士の間では新木場に限らずハッテン場での同性愛者に対する嫌悪的暴行は、表沙汰にならないものも含めれば東京都内だけでも、これまでも多数発生しているという話も聞かれる。
 
 この事件の背景には、高校生の間に「同性愛者は、排除されても当然(あるいは、仕方ない)」と考える高校生の価値観の問題もあるだろう。

 東京都の総務局人権部が作成している「みんなの人権」という人権問題について取り上げたパンフレットの中では「…同性愛・両性愛の人もいます。人が誰を愛するのか、決まった答えはありません。世界には、同性同士の結婚を合法としている国もあります。人間の性のあり方について、理解を深めることも必要なのではないでしょうか」というように同性愛者の人権について触れられている。しかし、このパンフレットは配布用として公共機関に設置されてはいるものの、学校での配布はされていない。では、「児童・生徒向けにはどのようなものを配布しているのか」と東京都の教育庁に問い合わせると、「児童・生徒に対して人権問題に関する冊子の配布などは行なっていない」という返事が返って来た。また、教員向けの『人権教育プログラム(学校教育プログラム)』を見ても、分厚い冊子の中で同性愛者に関しては「近年、同性愛者をめぐって、様々な問題が提起されています」という一文があるのみである。
 
 今回の事件が発生した要素として、
・犯罪が発見されにくい町が作られてしまっていること。
・人っ気の無い公園に、「簡単に狙える」「何をしても警察に届け出ない」と思われてしまうほど無防備に同性愛者が集まっていること。
・高校生に対して、同性愛者に対する十分な理解を促すような教育がこれまで行われてこなかった。ということがある。

ゲイの側のプライド育成、セクシュアルマジョリテリの側の人権啓発など、今後の社会が取り組むべき課題を今後整理していく必要があるのではないか。
 






最終更新日  2006年10月09日 20時04分04秒

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