ユニセフ「世界子ども白書2005」を読んで&日本の状況を振り返ってみて
ユニセフ「世界子ども白書2005」を拾い読みしました。 ユニセフ世界子ども白書2005によると、世界中で、HIV/エイズのために親を失った子どもの数は2003年までに1500万人(あまりに大きな数なので想像がつきにくいですが、例えば平成17年4月現在の日本人の0~9才の子どもの人口1150万人を大きく上回っています。)、15歳未満で既にHIVに感染している子どもの数は200万人(あまり適切な比較にはなりませんが、例えば平成15年度に日本で生まれた新生児数112万人を大きく上回る数字です。)。レソトなど、サハラ以南のアフリカのいくつかの国々では、HIVの有病率が人口の15%を超え、平均余命が過去13年間で16歳以上低下したそうです。(世界規模で見ると1分間に6人が新たにHIVに感染をしているそうです。) 一方で、平均寿命が高い日本では、こうしたアフリカ南部と比べれば「報告されている」HIV感染者、AIDS発病者の数は少ない状況が続いています。しかし、先進国(日、米、加、英、独、伊、仏など)の中では唯一、「報告されている」HIV感染者、AIDS発病者の数が増え続けている国でもあります。また、HIVへの感染が早期に発見されればAIDSの発症を長く遅らせることができますが、近年は自分でHIVに感染したことに気づかず、AIDSを発症して病院を訪れる人が増えているようです。この背景には「報告されていない(=検査を受けておらず、自覚をしていないHIV感染者)」が増えていることが疑われます。専門家の中では今後の日本におけるHIVの感染爆発を危惧する意見もあるそうです。 2000年9月ニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットに参加した147の国家元首を含む189の加盟国代表は、21世紀の国際社会の目標として国連ミレニアム宣言を採択しました。このミレニアム宣言では国際開発目標のひとつとして、「HIV/AIDSの拡大を2015年までに食い止め、その後反転させる。」ということを目標に掲げています。 世界はもちろんのこと、自分たちの身近なところでHIVの感染/AIDSの発症の拡大を防ぐためにHIVの抗体検査を受けることもひとつの国際貢献のひとつになるんじゃないかと思います。 もちろん、「今、自分の置かれている現在の状況では、HIVの抗体検査を受けられない。」あるいは「受けるのが難しい」という場合もあるかと思います。 でも、そうした難しい状況が解消されたときには抗体検査を是非受けてみてください。陽性(感染)の場合はAIDSの発症を防ぐべく、早期に治療を開始することができますし、陰性(非感染)の場合にもHIV/AIDSについて改めて考える機会になるのではないかと思います。 ちなみに、HIVの抗体検査は保健所などで無料・匿名で検査を受けられます。 HIV検査相談マップ 東京都南新宿検査・相談室