2011/02/09(水)21:19
50年後を決める大切なコンクリート打設
先週末、墨田のS製作所の2階床コンクリート打ちがあった。この日に向けて配筋、型枠の立て込みの後、設計事務所(かなや設計と梅澤建築構造研究所)による配筋検査、確認検査機関による中間検査、施工不良の場所を施工者に直してもらった後、いよいよコンクリート打設。鉄筋コンクリート造の構造は、配筋(鉄筋を曲げたり結束したり重ねたり)、型枠をつくったりする手間がほとんどでコンクリートを流し込むのは工事全体のなかでは一瞬のことである。一度コンクリートを流し込んだら、不可逆的にどんどん固まっていくので、手直しはできないし、コンクリートの中がどうなっているのか見ることはできない。10年後、50年後の状態がこの時にどれだけしっかりしたコンクリートを打てるかで決まってしまうのである。
・スランプ値(コンクリートの流し込み易さ)
・空気量
・水セメント比
・強度
等、事前にそれぞれのスペックを決めていく、基準法を満たしていれば良いというものではない。ましてや、流し込みやすいのが良いわけではない。できるだけ密実なコンクリートを打つために施工者と事前に何度も打ち合わせをして、今日の日を迎えているのである。
この日は8トン車11台コンクリートを流し込んだ。少しでもきれいでなめらかなコンクリートになってくれるように、玄関廻りや階段周りを重点的に木槌で型枠をトントンたたいた。普段使い慣れていない筋肉を使うせいか、腕が動かなくなる。
この日コンクリートを打った2階のテラス部分からはスカイツリーの頭の部分が見える。
かなや設計