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建築の寿命ってどのくらいか知っているでしょうか?学生の頃、建築材料学の先生が「鉄筋コンクリートの寿命はどのくらいでしょう?」と、学生に聞きました。コンクリートと言えば石と同じように固いので永久と書きました。ところが正解は60年。鉄筋コンクリートは、型枠を組みコンクリートを流し込んで形を作る構造です。コンクリートの中には鉄筋が入っており、鉄が引っ張り、コンクリートが圧縮を受け持つことで双方の長所を併せ持つ19世紀の大発明です。弱点として鉄筋がさびることで、コンクリート面を押し出しひび割れが発生し、そこから更に雨水や、二酸化炭素が入り込み鉄筋のさびが進行するという悪循環に陥る事です。ですから、鉄筋のさびにつながるコンクリートのひび割れやジャンカ(セメント量が少なくスキマが出来ている様子)は良くありません。
60年というのは、設計通りに工事が良好に行われた場合の寿命です。それでは、世の中の建築はちゃんと施工されているのでしょうか?実は、そうとは言い切れません。先日も、某大手不動産会社が発注。大手ゼネコンが施工した青山の超高級マンションで、コンクリートが脆弱になる施工ミスが発見されました。これは、たまたま、マンションの契約者が、サイトで見つけた内部告発を追求し施工不良が見つかった物件ですが、たまたま見つかったところから考えると施工ミスは氷山の一角。ハインリッヒの法則から類推すると同様な問題が埋もれていると考えられます。コンクリートの施工不良は巷では良く起こっていると思います。 19世紀の大発明である鉄筋コンクリートよりさらに昔、ローマ皇帝ハドリアヌス帝は、起源125年にパンテオン神殿を建てました。これは、コンクリートを使って建てた建物で、建設後1900年にもなろうとしているのに立派に建っています。 わずか60年先も危ういコンクリートを打つなんて日本人は、いまだにローマ帝国の足元にも及びません。無限のコンクリートを目指したいものです。 かなや設計 環境建築家 金谷直政 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年04月07日 10時42分07秒
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