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![]() 築40年の木造賃貸住宅 ![]() 骨組みを残してフルリフォーム ![]() 構造体を生かしてコーナー窓を設置してイメージ一新 北海道の北見市に建つ築40年のアパート、古くてなかなか借り手が付きません。大家さんとしては、壊すにも解体費用がかかるし、更地にすれば土地の固定資産税が6倍にもなるので、解体するわけにもいかず、古家&空き家のままです。現在、全国で古い空き家が、このような事情で増え続けています。 少子高齢化による高年齢の部分が大きい人口ピラミッド。もし、建物の築年数ピラミッドというものがあれば、人間の高齢化と連動するように、築年数の多い部分が多くなってきているのかもしれません。しかし、建物の場合、古いから寿命を迎えるという事はありません。「リフォーム」による若返りが可能です。人で例えれば、還暦を迎えたところで体が生まれたての新品になるようなもの。 ここで、建物の寿命について考えてみます。国土交通省の建設白書によるとイギリスの住宅の平均寿命は75年。一方日本の平均は26年。消費大国のアメリカでさえ44年であることと比べると、我が国の建物の寿命は極端に短いのがわかります。 日本の住宅の寿命が短い理由は何故なのでしょうか?
等が、考えられます。 しかし、建築基準法においては変更の必要がないほどに高度化してきました。また、住宅の要求水準もこれ以上は必要ない位充実してきました。つまり、現行の建築基準法を順守し、長寿命を見据えた、構造、断熱、維持管理のしやすさ等を考慮した住宅を丁寧に作れば。これからの日本の住宅の寿命はイギリス並みに長くなると思われます。国の政策も、既存の建物のリフォームを推奨する制度が出始めてきています。 古いアパートが。リフォームによって、最高水準の住宅にすることが出来、その評価ができる市場が出来てくれば、問題となっている古い空き家が、社会の資産として動きだすことになります。 特に、アパートのような収益物件の場合、事業として成り立っていることが前提になります。事業性の裏付けがあるリフォームが可能になるということは、面的な広がりと持続性のある空き家問題の解決へとつながっていくと考えられます。 本来であれば、不動産分野における聞く年数の多い建物の評価手法が確立することが望まれますが、今回の事業は、その制度ができる前に、市場に評価を任せて先に進みたいという思いからやってみました。 かなや設計 環境建築家 金谷直政 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月06日 19時24分49秒
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