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詩人たちの島

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April 11, 2003
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昨日は疲れて早く寝た。今朝、二時過ぎに起きた。このようなスタイルになりつつある。静かだ。どうにか木曜日の五時間の授業をやっつけた。そして、まだやっていけるという感触を得る。自分のスタイルで充分なのだという感触。受験屋でなくともやっていけるし、生徒たちの望んでいるのはそんな授業ではないのだということ。それにしても、生徒たちとの実際の授業によって、そんな感触と自信を得ることができたのだから、彼ら彼女たちの存在はぼくにとって大きな意味を持っている、そう改めて思った。

詩集のタイトル考えよう。音楽記号。クレーの画題とベンヤミンの文章を今から書き抜いてみよう。そうだ。なぜはやくベンヤミンに気づかなかったのだろう。

「漂流物」、空間と時間の織り成す不可思議な織物―アウラ、「どれほど近くにであれ、ある遠さが一回的に現れているもの」。「環境と人間との疎遠化、治癒的な効果をもたらす疎遠化」「偉大な作品はもはや個人が生み出すものとは見なされない、それは集団によって作られるものになった。非常に巨大なものになったがゆえに、それを摂取するにはまさに縮小することが前提となった。機械的複製の方法はつまるところ縮小技術であり、その助けを借りて人間は」「創造的なものーこれはその最深の本質からすれば、実はすでに存在するものの変形であって、異議を父とし、模倣を母として生まれてくるのであるーは」「安定した状況とは安定した悲惨であるかもしれない」

 ベンヤミンの「一方通行路」の「ドイツのインフレーションをめぐる旅」を読むと、そこで書かれていることとの類似性が今の日本のデフレーションの社会に著しく共通することに驚く。「もはや事態がこのまま進むことはありえないですよね。」という自己慰撫の嘆きはここでも蔓延している。このような嘆きの未来に残されているのは「殲滅」でしかないとベンヤミンは恐ろしい予言を下したが、歴史は実際にその通りに動いたのではなかったか。精神的な貧困の蔓延―これは一次大戦後のドイツとは異なるものだろうが(金銭的な貧しさ)―は目を覆うばかりである。これに対して、自らの、ひいては「民族」の「生」の実存の威信を救い出そうとする試み、その結果としての「文化」「伝統」「愛国心」の鼓吹のための試みが役所やマスコミに満ちている状況も全く同じだ。ベンヤミンはそれらの試みのすべてが「何らかのごくつまらぬ私的状況を裁可するための」ものであると端的に否定した。

―幸福であるとは愕然とすることなしに自分自身の姿を見られる、ということである。― これもベンヤミンの言葉だが、このぼくはどうだろう





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Last updated  April 12, 2003 09:55:06 PM
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船津 建@ Re:Die schlesischen Weber(シレジアの職工)(05/25) 引用されている本にはかなり重大な誤訳が…
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