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詩人たちの島

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January 22, 2005
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カテゴリ:連詩
A Time to Mourn
 

老婆の悲嘆のように鈍くてかすかな脈拍が聞こえる
暗いジャングル
妨害電波の網を潜り抜けたかすかな脈拍が声になる
Muy Buenos Dias!
未明の声がよびかけるとき、忘れられた朝がよみがえる
暗い谷間に響くサウンドトラック

英己 05/1/9



アイルランドでは 妖精は「良い人たち」
いたずらの上手な「良い人たち」だ
アジアでいたずらが上手なのはだれか?
大津波にさらわれ 二週間インド洋を漂流して
助かった青年が けさのニュースの主役  

健二 05/1/11



スクナヒコナは小さい神さま
粟の穂をぴょんと飛んでいく蚤のような神さま
波の果てにあるというまぼろしの
常世の国から来て穀物の種子をくれた善意のひと
でも善意のひとはつねに時代の異端者、歴史の端役
波間に消えて忘れられた神さま

豊美 05/1/13



飢饉や戦争も一回だけってことはなかったのにね
「一回性」の神話にとらわれて「悲歌」が地下室で歌われ
厚着をした人たちが自分たちの神様を祭っているよ
動くことが大切なのに
どう動けばいいのかわからないままに あるいは動かされるままに
多くの忘却を歌いすぎたので思い出すのに疲れて

英己 05/1/15



むこうからも こちらからも
作戦のたてようがない 愚かさのかたまりとなって
漂流する夢を見る
ボートも来ない 筏も来ない
この部屋の 結露でくもった窓の外を
だれかが通った 自信のない神様のように通った

健二 05/1/16



ザラザラしたもの カビの生えたものでノドをいっぱいにして
もう壊れるしかないという不幸
戦争が終わったとき一番元気だったのは誰?
信じられないだろうが
一番元気だったのは飢えた蚤たちだった
空腹の言葉たちだった                  

豊美 05/1/18



森の入り口で
洞穴のそばで
引き返せない歩みを歩む人よ
きみの牙はまだとがっている
やさしい仕草に満ちた愛らしい獲物の罠にかかり
生きているが死んでいる 死んでいるが生きている

英己 05/1/20



夢のなかの 洞穴の奥は
テレビカメラが去ったあとの神戸だ
テレビの嘘を信じない瞳に見つめられ
きょう さらに壊れてゆくもの
――十歳ずつ年をとった さまよう家族の心のなかに
幼い死者が生きているほどに 私たちは生きていない

健二 05/1/22







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Last updated  January 23, 2005 11:15:44 AM
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