詩人たちの島

発生していいもの印税、悪いもの、これはもちろんテロである。小さなしかしぼくにしてはきつかった原稿の印税が年に一万円足らず発生する、その報告がくる。それはとてもうれしい。これを生み出した仕事は２度とやりたくないが、作家稼業などで印税をもらえる人のことを羨ましいと率直に思う。テロに遭うのも人生なのかも知れないが、これはごめんこうむりたい。宝くじを買って、これが当たったならと、いろいろと夢想する、それと同様の確率かもしれないが、テロに遭うことは夢想できない。死後を想像することは愉しくない。

「テロってやる」というのが口癖の現体制派もいる。昔はアナーキーなヘルメットをかぶった男で、今はそういう過去のすべてと絶縁して生きているが、時々、この言葉を発するのはご愛嬌というべきか。イスラエルに原爆をというのもこの男の口癖である。

もうどこにも出口はないかもしれないが、日々この世に入ってくる子供たちのために、なるべく広い世界を持ちこたえていくのがわれわれ老年の最大の課題かもしれない。グローバリズムという一色でこの世を塗るものに災いあれ！