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久しぶりに今までテレビを見た。高校生のブラスバンド部を追ったものだが、ついに最後まで見てしまった。少しもらい泣きしたかな。若いっていうことの素晴らしさに、みんなで協力して何かを創造することの素晴らしさに、また指導者の熱意に。ちょっと厭なところもあるけど、指導者たちはプロである。プロであることの臭さと素晴らしさ。しかし、なかでも京都のR高校の部員とその指導者には他のものにない自然な姿勢とすがすがしさを感じて、応援してしまった。全日本の狭き門をいかに努力奮闘して彼らが開けることができたのか、番組は馬鹿な芸人たちをならべて、画面に小さな窓枠を作って、彼らの感激しているバカ顔を映しながら放映し、しかも必ずいい場面の前にはコマーシャルで寸断するというこの国の民放得意のあざといものだが、いつもは気になる小さな窓枠が今日は全然気にならなかった。それにしてもどうしてこういう手法を多用するのか?番組の中では高校生たちが一生懸命に練習している、涙を流しながら。それを画面の上や下の小さな四角の中から芸人や司会者のバカ顔が見つめている。このわずらわしさ。このいやらしいまでの共感の押し売り。高校生に失礼である。
今日は職場の一年生(私はその担任団の一人なのだが)を全部集めて話をした。入学したころの清新さと覇気を失っている連中が多いからということで、柄にもなく私が説教をすることになった。この番組を見ていたら、もっと具体的なことが言えたかもしれないと、今考える。プロにはなりきれない私は、そこで先日読んだばかりの村上春樹の短編「偶然の旅人」のある挿話を紹介して、このようにすべては目には見えないが、つながっているのだから、現在の瞬間、瞬間を大切にして生きていこうとわけのわからないことを述べただけだった。わが高校生たちはもちろん泣きも笑いもせず押し黙って聴いてくれてはいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 12, 2005 09:45:07 PM
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