詩人たちの島

2006/01/10(火)05:53

成人の日

essay(268)

ホテルの式場は立錐の余地もないほどだった。どの顔も見覚えはあるのだが、とくに豪華な和服ときれいな化粧で飾られている「女」たち(たしかに、もう女というしかない)になると見分けがつかないほどだった。でもその「女」たちの「顔」から出る声は昔の高校生のままである、何名もの顔の下に、高校時代の少女たちが生きていて、でも今日からは「大人」だというようなちょっと気取った様子がおかしくも美しくも感じられた。「男」たちも華やいでいて、スーツにネクタイ姿が多かったが、羽織袴姿もいた。ぼくらが卒業させた学年の生徒たちの成人の日の集りで、その学年団の8名の担任もだれ一人欠けることなく、その場にいた。 この世のものとも思われない着飾った美女たちと一緒に写真を一杯写され、若衆たちと公然と酒盃のやりとりをして、2時間の集りはあっという間に終わった。若さのエネルギーに終始圧倒された時間だったが、このエネルギーをもらって明日から自分も頑張ろうなどと思ったりもしたのだった。

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