カテゴリ:essay
明日から35シーズン目の「登板」が始まる。足腰肩すべて弱くなったけど、直球を主体に投げていくしかない。打たれたら、それまで。こちらも満足できるようなホームランを打たれよう。
一つの駅に立ってばかりいては、一つの列車を待ってばかりいては、なにも始まらない。あらゆる駅で、あらゆる列車をまつことができるためには、今以上に練習を欠かさないことだ。 足立巻一の温かく、優しい小説「夕暮れに苺を植えて」を神戸の松尾茂夫さんが貸してくださった。松尾さんが足立について書いているのを読んで、それに感銘して、メールしたところ、わざわざ送ってくださったのが今日届いていた。この小説は足立が彼の恩師、池部宗七をモデルにして書いたもの。足立の書いたもので、ぼくが持っているのは昭和47年に出た本居春庭の評伝、上下二冊、それに感動したのが、足立巻一の名を覚えたきっかけ。彼が松尾さんの関西学院中学の先輩にあたることもはじめて知った。小説の中では「石川先生」という名で出てくるのだが、この人は足立たちに歌を教えた歌人でもあったという。小説の私は、昔の恩師の詠草をまとめて遺稿集を作ろうとする。 「石川先生」の次の歌が、この小説のタイトルになっている。 すてきな歌だ。 夕暮れに苺を植ゑてうゑ終へず雨ふり出でぬぬれつつぞ植うる 夕雨にぬれつつ植ゑし草いちご夏を疾くこそ人もとくこそ そのほかに、生徒を殴ったあとの歌らしい 吾子よ吾子よ汝を手打ちたる手のひらのひびきを堪へて野を歩みをり まだ読み終わっていない。大切に嘗めるように読んでみようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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