詩人たちの島

引率で日本棋院に行く。個人の順位選で、Uの成績は一勝一敗だった。初戦は、私立麻布高校の６段の生徒に黒番で２目半の勝ちだった。すばらしい戦いで、見ていてこちらも疲れた。それぐらいに集中していた。これはすごいと思った。二回戦は筑駒の生徒で、なんかヤワな印象だったので、勝てそうだと思った。前半は圧倒的にUの勝勢だと見ていて思ったが、Uが囲い始めてから、白番の相手にジワジワと寄せられていき、終わって作ってみたら、もう盤面でも相手に負けていた。寡黙で、おとなしくて、内気だが、Ｕはとても見込みがある生徒である。碁のみならず、勉学でも、わが職場ではトップである。しかし、友人はほとんどいない。それでもいいとぼくは思っている。こういうところで、いろんな意味でトップの高校生たちと、碁ではあるが、その雰囲気を身近に味わうことができているのだから。また、彼らと遜色なく、碁が打てるのだから。