カテゴリ:essay
寒かった。ひとりで飲みたかったので、相原で降りた。「まいど」は異常な混雑だった。Z大の学生、しかも女子大生が12名余り、飲み食いをしていた。そのけたたましいこと。おじさんは三名ぐらい。小さくなって、圧倒されていた。「同窓会?」と小さな声で、おかみに聞いてみたが、そうではないらしい。そのうちまた入ってくる、20名ぐらいになった。話を聴く気にもなれなかったが、仲間のだれかがお愛想して帰るとき、かならず、この学生たちは、「お疲れ」と言い合うのである。
「お疲れ」か。これは詩の言葉になるだろう。ぼくより、みんな元気そうなのに、「お疲れ」と言っている。疲れるほど勉強したのかな。それとも、さよなら、という言葉の代わりに使っているのか。卒業式には何を着てくるの?和服よ、というような話も聞こえてくる。そうか、4年生で、今日は最後の授業だったのだろう。それで「お疲れ」さま、ということで、みんなで飲んでいるのだ。進路がみんな決まったような顔だったのを、今思い出す。晴れ晴れしていたな。 ぼくは、雪の降りそうな気配を感じたから、一人で「雪見酒」のつもりで、ここに寄ったのだが、雪も降らない。その代わり、女子大生たちの雪のような白い顔を盗み見て帰った。「お疲れ」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 21, 2008 08:06:12 PM
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