夜の果てへの旅12月の凍える街を アテもなく歩き続けてる 読み捨てられた週刊誌が 今日もまた風に揺られてる あたたかなカーテンの向こうで 光と影が抱きあっている 彼はどうしようもない憂鬱を抱え 夜の果てへと旅を続けている 曖昧な日々 そして夢 怒りさえもゴマかしてただけで 重い荷物を抱えながら 何故かいつも浮いていただけで 溺れたくないから 泳いでただけで 生き延びるため 笑ってただけで ただ流されてゆくままに 彼は夜の果てへと旅を続けていた 彼女はトゲのないバラのようで 俺はただのトゲみたいな存在だった 深く考えずに暮らしてきた そのツケが2人を引き裂いただけで 「孤独」と云う字は甘ったるくて 「希望」と云う字はウサン臭いだけで 今にも切れそうな細い糸を辿り 2人は夜の果てへと旅を続けていた 12月の街はまるでブラックホールみたいで この闇の果てへと続く道はどこまでも伸びてゆくだけで けれど俺にだって何かがあるはずさ 何かが出来るはずさ 淀んだこの魂を洗い流し なけなしの勇気を奮い起こすのさ 12月の凍える街を アテもなく歩き続けてる 矛盾だらけの自分自身に 爪を立て 吠え続けてる 48回のローンみたいに 35年のローンみたいに 世界が何度自分の手をすり抜けても 夜の果てへと旅を続けてゆくだけだ |