カテゴリ:漫画
読むレビュー読むレビュー絶賛中の西田東さん、「奪う男」以外コンプリート。
帯にて今市子氏絶賛の「見つめていたい」を既に持っており、ずっと気にはなっていたのですが、正直なところ絵の方が上手いとはとても言い難かったもので、話もまぐれ当たりなんじゃ…と購入をためらっていたのですね。 が、2冊目に購入した「目を閉じないで」で確信しました。この方の絵は、こうだからこそ味があるんだな。ある程度の描き慣れは必要だと思われますが、あんまり細部まできっちり描いたり、キラキラしい効果を覚えてしまうと、勢いがなくなって魅力が半減しそう。 それにしても、登場人物のビジュアルが重要視される恋愛物なのに、絵が上手くない方の作品にも名作が多いのは、このジャンルの特性ですよね。 私が出会った頃のイシハーラもそうでした(「38度線」だな)し、遥々アルクさんとか六野くろさんとか。<単行本出てる方は省いてみました…って大概失礼だな、オイ まとめて感想を書こうかと思いましたが、いつ終わるかわからなくなってきたのでできた分ずつアップしていきます。 目を閉じないで ****収録作品**** 目を閉じないで/HOME/片想い/言葉に出来ない/許されるもの/LOVE・HATE **************** 麗人掲載作品をまとめた短編集。表題作とHOMEが連作、LOVE・HATEは描き下ろしです。 全て社会人カップルで、それも比較的年齢層が高いので、オヤジスキーにはたまりません。 私的には表題作がツボでした。 ****あらすじ**** ゲイの村上は昇進とともに営業部から業務部に配置転換され、花田次長と出会う。それなりにやる気なさげ~で適当な花田への反発心から、うっかりゲイであることを話してしまって以来、何くれとなく気にかけられるようになってしまうが、ある日行きずりで関係を持った男に入れられた道具が抜けなくなった時、偶然電話をしてきた花田に助けを求め… **************** シチュエーションとしては、これほど情けないこともそうないですよね。本当にあった○○な話系の雑誌で、大変良く見るネタ(スイマセン、その手の雑誌よく読んでます…)ですが、ご本人様にしたら冗談ではない。しかも助けを求めた相手は何かと反発している上司ですよ。マジになったら死にそうです。 村上も当然、思わず助けを求めてしまったものの、その後は冗談に紛らわそうとするのですが、何しろ状況が状況で、取り繕った仮面からボロボロと本音がこぼれ落ちて、ブツを出すのを手伝ってもらううちに微妙~な雰囲気になってきます。 これは読まなきゃわからない、とにかくその微妙さが絶妙なんですよ!! 西田さんの何が良いって、表情がすっごくイイ!んですよね。登場人物殆どがオヤジなだけあって、含みがありそうなちょいとひねた表情が多いんですが、そんな彼らが時折みせる全開の笑顔、身も世もないような泣き顔… BLにありがちなキラキラしい受けやカッコいい攻めは全く出てこないのですが、普通のオヤジ達が泣いて笑って恋をする中で見せる思いがけない可愛さ切なさに、何度でも「恋に落ちる自分」を再体験できます。 他収録作も粒揃い。他の作家さんにはない西田流「男の魅力」にはまること請け合いです。 と、絶賛して終わりたいところですが、残念なことに、描き下ろしがいただけませんでした。単行本「奪う男」収録の作品の続編らしいのですが、「奪う男」絶版だて。前がなくても何とか読めなくもないですが、それでも不明箇所が多すぎ。 かわいゆみこ「EGOIST」続編の「Fetish」(ともにBBN)や、鳥人ヒロミSBBC「成層圏の灯」シリーズ「幾千の言葉より」発行の時も思いましたが、続編出すんなら前のも増刷しろや(怒)絶版したのも許せん名作なのに。 Egoistは新装版出ましたね。復刊ドットコムさんの働きでしょうか。と思ったら違いますね。 でも、ここの復刊リクエストはけっこう効果あるので、ぽちっとリンク。 「奪う男」の復刊にご協力ください EGOISTシリーズ新装版/かわい有美子/笠倉出版社クロスノベルズ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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