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『信賞筆罰』 ある在野研究者の記録

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2021.07.31
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カテゴリ:読書日記
ホーキング虚時間の宇宙:宇宙の特異点をめぐって

最近の宇宙論は天文学に押されっぱなしである。
1990年代は宇宙論全盛の時代であり、時の人であったのはこの本の主役 ホーキング博士だった。
 
ホーキング博士=ブラックホール理論といえるほど、アインシュタインの一般相対性理論を軸に「ブラックホールは蒸発する」ことや、特異点論争などが主流で、宇宙の成り立ちやビックバン理論などは、あまり主流ではななかったように思う。
 
最終的には、アインシュタインの重力理論とボーアなどの量子理論の大統一理論として「超ひも理論」へと現在向かっており、その統一理論もあと少しの段階まできている。
 
ただ、科学、特に宇宙論を考える時には最低限の物理法則 ニュートンの三法則や、熱力学の法則、さらには、一般相対性理論や特殊相対性理論、量子理論、不確定性原理などのさわりまでの知識が不可欠だ。
 
そして、宇宙の成り立ちにおいては、現在では素粒子理論も必要となる時代である。
ひも理論を最初に考えだしたのも、ノーベル賞を受賞した南部博士であることは、あまり知られていない。
 
不確定性原理など、「物事の事象は全て不確定なのだ」と、しったかぶりをしている人が多いですが、ハイゼンベルグの不確定性原理は基本は「ある物理量と別の物理量が同時には決められない」ということを意味している。そして、量子理論では「いろいろな物理量が不確定になる」という考え方になるわけだ。
 
そんな基本的な物理の知識がないのに、いきなり宇宙論のTV番組や初心者用に噛み砕いた解説だけを鵜呑みにし、それを元に宇宙論を語られると、非常に困ってしまうことが多い。
 
ホーキングに関しても、もう彼は最先端の宇宙論を走っている人ではない。
超ひも理論が登場・発展し、その理論が最先端の宇宙論の中心となりつつあるからだ。
 
ただ、ホーキングのブラックホールに関する功績は世界的な業績であることは間違いない。
なので、ブラックホール理論はホーキングが中心となって発展してきたといっても言いすぎでないと思います。
 
ブラックホールに関する問題、特に、アインシュタインの重力方程式から導き出された特異点問題を中心にホーキングに焦点をあてて、どのように彼がブラックホール理論、そして、宇宙論を考えてきたのか?を、じっくりと解説された本がこの本です。
 
著者がサイエンスライターとして日本で確固たる地位を極めつつある竹内薫さんですから、ハズレではないです。
 
ホーキングの著書は、ちょっと理解しづらいところがあり、彼の思想的背景や考え方の根本を解決した本はなかなかありませんでした。
 
宇宙論の研究で、彼の果たした時代は終わりつつある中、彼が何を研究してきたのか?という、まさにホーキングの研究史をコンパクトにまとめたのが、この本です。
 
最後のホーキングの無境界宇宙仮説について、「あ、そういう理論だったのか?」と、竹内さんの解説が、この本の美味しいところだと思います。
 
ホーキングの無境界宇宙仮説と、ビレンケンの宇宙論は、同じように無から生まれた宇宙の成り立ちと変わらないというのは、驚くべき研究です。
果たして、ホーキングの計算通り、特に、虚時間を使った宇宙の成り立ちが正しいのか?
 
最近、望遠鏡やコンピューター、光学技術・電波やX線などの観測装置の発達で天文学のほうが隆盛を極めています。
宇宙論も天文学の結果を裏付ける発展ができればいいんですけどね。






最終更新日  2021.07.31 00:30:05



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