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『信賞筆罰』 ある在野研究者の記録

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2021.10.16
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カテゴリ:読書日記


高校時代から音楽フリークの奴らに 言ってきたことがある。

「昭和歌謡曲 ナメるなよ!」。

1990年代 時代は渋谷系、ユーロビート、テクノサウンドなど一世風靡をし、昭和ムード歌謡 昭和歌謡曲よりも「かっこいい」「踊れる」曲、もしくは、シンガーソングライターで 身の丈を歌詞にすることで共感を抱かせる曲、最後には小室哲哉の台頭で、なんでもかんでも ループ調。

この小室哲哉のループ調を 完全にパロディー化したのが、ユニコーンの『大迷惑』であることを知る人もいない。


一番記憶に新しいのは 由紀さおり&ピンク・マルティーニ『1969』、日本の歌謡曲でiTunes全米ジャズチャートで1位獲得である。

最近、由紀さおりの歌謡曲が”COOL JAPAN”ブームにのっかって、イケイケドンドンで売れに売れまくっていた。

世界でようやく日本の歌謡曲が50年ぶりに認められたともいえよう。


そう、ビルボード総合チャート第一位をとった坂本九の『上を向いて歩こう』=”SUKIYAKI"から50年もかかって、ようやく、日本の歌謡曲の良さが認められたことになる。


歌謡曲と演歌、さらにはJ-POPなどとは、全く異質なものだ。


歌謡曲は歌謡曲。

この本の著者である小泉文夫先生は、何を隠そう 坂本龍一の先生だった人である。
小泉先生の音楽の解説は本当に面白い。

平凡社ライブラリーの『歌謡曲の構造』で、歌謡曲の面白さを明らかにしているが、歌謡曲にはオリジナル音階なるものがあるのである。

演歌は7・5調
沖縄民謡でも「琉球音階」があるように、日本の歌謡曲にもオリジナルの音階があるわけなのだ。

小泉先生は、その起源を平安時代の音楽。そして、今でも伝承している日本の「わらべうた」によく似ているということを指摘をされています。


演歌と歌謡曲の違いは、阿久悠先生がTVで解説したように 歌詞を「五・七調にするかどうか?」になる。
音階も、結構、演歌と歌謡曲では全然違うのだが、どうも、同じと思っている人が非常に多い。


私の世代なら、ちょうどアイドル歌謡曲がまだ生きていた時代。

そう、アイドル歌謡なら 沢田研二、ピンクレディーやキャンディーズ全盛。
そして昭和ムード歌謡なら クールファイブ、フランク永井、ロス・プリモス、年少の頃、歌謡曲をつぶやいていた時代である。

歌謡曲の洗礼を受けた時代に私は生きてきました。
昭和歌謡曲の良さというものを享受できた最後の世代になるかもしれません。


これ以降、アイドル歌謡やジャニーズやJ-POP、シンガーソングライター、シンセサイザーやシーケンサーに打ち込みによる、循環コード多用、さらには洋楽や日本のヒット曲の「パクリ」まがいものが徐々に増えていき、オリジナリティーに欠けるデジタルサウンドへ進んでいきました。


最近、日本の曲が売れないのも「それは、ヒット曲が同じ作りのものばかりでしょ?」と。


デジタルデータのように「大量生産・大量消費」で、名曲・名作詞が生まれないのも。
昭和の懐メロばかりTVやラジオ放送しているほうが多いのではないでしょうか?


歌謡曲やアイドル歌謡については、こちらの記事を参考にしただければ、かなり細かいところまで歌謡曲については、わかるように説明をしています。

一番おいしい部分は 最後の最後、『年表・戦後ヒットソング小史』である。

ヒットソングにはある程度の理屈があるし、流行の音階がある。

だから、「歌謡曲をナメるなよ!」というのは 結局 日本人は日本のオリジナルの音階が 古くから心地よいと感じるDNAをもっているとしか思えないほど、ある程度のヒットの法則性があることを この本を読んでわかるのである。

逆に言えば、今の流行歌は この法則性から逸脱しているか もしくは 全く 日本人のDNAに心を打たない曲調だから 日本の音楽が売れないといっても言い過ぎではないと思います。

昭和歌謡を若者が注目されているのも 斬新さではなく 心に残る「何か」があるのだろうと。





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最終更新日  2021.10.16 00:38:25



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