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『信賞筆罰』 ある在野研究者の記録

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2021.12.01
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カテゴリ:読書日記


中央大学在学の時から「理論経済学」は役に立たない!!と、ウェブページで散々批判していた私。
1994年から2000年にかけて シカゴ大学のフリードマンの経済学が主流となっていたのに、「人間が合理的に行動することなどありえない」と、散々書いてきました。

理論経済学を勉強するにも、人間の非合理性や感情的などに焦点をあてた反主流経済学を中央大学で学んできました。まだ、実験経済学、臨床経済学と言われていた時代で、今では「行動経済学」「実験経済学」として、演繹から帰納法で「人間」の経済活動を見つめる経済学を学んでいました。

その当時まケインズ経済学なら、ケインズ→吉川洋→ハイマン・ミンスキー・スティグリッツ。制度派なら、宇沢弘文→ヴィブレン→ガルブレイス。行動経済学ならカネーマン。

制度派のヴィブレン、ケインズ経済学、カネーマンの「行動経済学」、スティグリッツの「非対称情報」論と、反主流経済学を学んでいました。
そして、アメリカでは当時クリントン政権だったので、民主党の経済ブレーンであるレスター・サローやロバート・ライシュなど「政治経済」からアプローチする経済論も出ていたので、彼らの著作もよく読んでいました。

そこから奥村宏先生との出会いで企業論を研究する上で、土台となる組織論や社会心理学、組織の意思決定論を学ぶ上、複雑ネットワーク論、ゲーム理論、社会心理学も最新研究を織り込み統計学もフィッシャーからベイズになり、IT技術やPCの発達で簡単にシュミレーションができるようになり、帰納法+実証+統計・確率で、経済を俯瞰的に知ることができつつある時代になってきました。

さらには 『ファストアンドフロー』のカネーマンの行動経済学 

そして、本年度のノーベル経済学賞は 実験経済学の米カリフォルニア大バークレー校のデービッド・カード MITのヨシュア・アングリストと米スタンフォード大のグイド・インベンスが受賞した。

最低賃金を上げても 失業率は急激には高くならず、そのままを維持する。
(これは どの経済環境でもあてはまることはできない。お隣 K国では これをやって さらに失業率が増加し とんでもないことになっている。経済政策 経済環境が違うと 最低賃金を上げたところで 失業率は高くなる事例もあることに注意が必要)

これらのようなアプローチで経済を見ていた欧米の研究者は、なかなか知られていなかったのですが、今回、そのど真ん中を記したものが、この『経済は「予想外のつながり」で動く――「ネットワーク理論」で読みとく予測不可能な世界のしくみ』である。

参考文献が非主流経済学のオンパレード。
ダンカン・ワッツ、ハーバード・サイモン、スティグリッツ、カネーマン、マクルーハンと、経済学の枠を飛び越えた分野、複雑ネットワーク、産業経営論、情報学、社会心理学。

日本の経済学者で、これらの分野を統合して経済を考える学者や研究者は、ほとんどいない。

しかし、これらの分野を横断的に積極的に取り入れ、既存の理論経済学に対して真っ向から反論し、新しい経済学の分野を構築しているところが、この本のすごいところなのである。

複雑ネットワークと情報学とIT、そしてベイズ統計から組織の意思決定が、経済を大きなダイナミズムとして捉えないと、グローバル経済の一長一短を把握することが非常に難しくなるだろう。

そのためにも、日本でも 輸入の理論経済学に頼らない新しい経済学の構築が急務なのであるが、今でも海外で輸入した経済学を学んで 大学教授になることが主流なので 日本で経済学が発展することは まぁ 将来はないだろうと悲観していますが。






最終更新日  2021.12.01 20:03:13



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