2008/08/20(水)08:39
タックス・シェルター
タックス・シェルター
・タイトル:『タックス・シェルター』
・著者名:幸田真音
・出版社名:朝日新聞社
久しぶりに読んだ経済小説。
「タックス・シェルター」とは、税法の網の目をかいくぐって、巨額の財産を保有し増やすための方法のこと。(租税回避商品)
中堅証券会社の創業者社長谷山に唯一可愛がられた財務部長の深田は、社長より一任された隠し財産をどうしたら突然死んだ社長の名誉のため、そして残された遺族のために、うまく合法化できるか?を模索する。
そこに言葉巧みに近づき、貪っていく旧知の金融ブローカーや遺産相続でお金に目がくらみ、人が変わっていく遺族たちにはさまれ、どんどん深みにはまっていく。
そこに監査が入り、無事問題なく終了したものの、ひょんなことから、その女性国際税務調査官とお互い好意を寄せ始めるが...
些細なことから脱税してることを気付かれてしまう。
そして最後に元来真面目な深田が、社長の名誉やその女性国際税務調査官を守るためにとった行動とは...
題名からも『国際租税回避』がメインテーマだと思うのですが、そちらのスキームについてはあまり描写がなかったのが残念。
でも、金と欲によって、人間こうも汚く変わり果てるものなのか?と別のところで切なくなってしまった。