J-ROCK magazine 1998.4J-ROCK magazine 1998.4 後半 (Rocket Diveインタビュー)●いろいろ聴いたテクノよりも、hideさんの持ってたテープの方が、刺激的だったと。 hide:うん。でも、テクノでも良けりゃ別にいいんだけど、何百枚って聴いた中にたまたまなかった。っていうか方向が定まらなかったっていう。1個2個はあったんだけど、コンピレーションを作るほどはないわけだから。 ●『WooFer!! 01db』は”2000年のギターサウン ド“ということがテーマに掲げられていますが、それはバンドを選んだ結果出たものになるのですか。 hide:最初に”AMEN“と”SPACE AGE PLAY-BOYS“っていうのがあって、それとは別に”EBOMAN(イーボマン) “が内輪ではやってて、僕がすごい”EBO-MAN“とかに感じるのはパンクロックだったりするんですよ。”EBOMAN“もいろんなタイプの曲があるんだけど、僕が選んだ2曲はサンプリングギターがすごいフィーチャーされてるんですね。それで”AMEN“と”SPA-CE AGE PLAYBOYS“っていうのはオーソドックスなバンドスタイルで、この両者に共通するものっていうのが僕の中ではパンクロックだったりとかするし、”潔さ“だったり、”やりたいときがやるとき“っていうか、”聴きたいときがやりたいとき“みたいな感じがあるとか。何かダンスミュージックとかクラブミュージックに通じるんですけどね。それとやりたいことが先に立って、ギター自体っていうものの”コード1個覚えりゃ、人を感動させることができる“っていうような初期衝動と、”サンプラー1個あれば、人に暴動を起こさせることができる“っていうようなところが似てるなあと思って。僕らのころってすごいギター人口が多かったけど、今はサンプラー人口とかDJ人口が多かったりするっていうところが「今だなぁ」って。それもギターをマーシャルに突っ込まなくても、AKAIから出てくる音でもかなり暴力的なギターサウンドができるっていうことで、”2000年のギターサウンド“っていう感じにしたかった。 ●例えサンプリングされたものでもギターの音だと。 hide:うん、そう。ほんとに「I DON'T CARE(関係ないよ)」っていうことを単純に言いたかっただけなんだけど(笑)。 ●その『WooFer!!』シリーズの第2弾ではゼペット・ストアのメンバーと一緒にバンドをチョイスしていますが、第2弾のコンセプトは何ですか。 hide:発売がバレンタイン・デーの近辺だったから、 ”恋人達のための交わりのロック“っていうのが一応コンセプトっていうか、テーマなんですよ。でも、結構テーマはおまけみたいなもんで、僕は”OVERSOUL7(オーバソウル7) “っていうバンドがあって、このバンドを世の中に出したくて、ここに入れたんですけどね。だから、バラしちゃうと”OVERSOUL7“のくくりで「何かテーマをつけろ!」っていっても、なかなか他にバンドがいないから別なくくりにしちゃったの(笑)。でも、結構並べてみたら意外にそういう…SEXするときのBGMにぴったりで、おもしろかったっていうのがすごいあるけど。 ●このコンピレーションアルバムは、今後もいろいろリリースされていくんですか。 hide:うん。今後もリリースされていきます。ただ、やっぱりバンドを探していくっていうのはなかなか難しくて、レコード屋さんでジャケ買いしたってそんなに当たらないのと一緒でなかなか大変なんですよね。 ●じゃあ、コンピレーションを出すためにバンドを探すのではなくて、hideさんの感性にひっかかったバンドの数がそろえば出すっていう感じですかね。 hide:そんな感じですね。ゼペット・ストアもそうだったし。 ●この『WooFer!!』もレモネードの一貫なんですけど、レモネードの今後の展開っていうのは、どんなことを考えていますか。 hide:『WooFer!!』に関していえば、ワールドワイドって名乗ってるから、別に洋楽に限らないんですよね。でも、今んところは邦楽のアーティストでそういう人達に出会ってないんで、出会いたいなって思ってるんですけ ど。それと8月に『MIX LEMONed JELLY』っていう、去年の夏にやったオールナイトイベントを今年もやろうと思っています。去年は5カ所ぐらいのクラブで一斉に始まって、どこで何が観れるか分からないっていう形にしたんだけど、今年は1つの敷地の中に複数のクラブと複数のバンドといろんなイベントをたたき込んで、来たお客さんが勝手にチョイスしてオールナイトで遊んでもらうっていう。 ●アミューズメントパークみたいな感じですね。 hide:このときはそうですね。バンドも結構な数が出るし、おもしろいと思うんですけど。今のところまだ仮の予定だけど、スケーターのクラブもあったりとか、ウォータークラブみたいな水着で楽しんでもらうクラブとか、スタンディングのキャパシティーでのライブも観れる形をとろうかなと。 ●そういうことを去年もやって今年もやるということは、今後もいろいろやってくれるのかなとか期待してしまうんですけど。 hide:やりますよ。去年は特に未完成っていうか、お客さんが交通費を無駄に使わなきゃいけなかったりとか、キャパシティー以上に人が来ちゃって、クラブっていうよりは単純にライブハウスになっちゃったりしたんで、もうちょっと自由にできるといいなって思ってます。 ●hideさんって発想がパンクなのか、すごく突飛でおもしろいことをいつもやってくれていますよね。 hide:恵まれてるんですよ。こういうことを”やりた い“とか”観たい“っていうのは、お客さんも思ってるし、プレイしてる人達も思ってると思うんですよ。それがいざ実行ってなると、理解してくれるスタッフに恵まれていないためにできないんだと思うんですよね。僕は単純に理解してくれるスタッフがいるってことで恵まれているのと、僕の周りにいるバンドとかっていうのが縄張りじゃないけど、そういうのとあんまり関係ない人達だったりするから。結構、みんな「これはパンク、これはロック、これはビジュアル系」って分かりやすくしたがるじゃないですか? でも、僕の周りには「そんなんじゃないのにね」って笑っちゃうような人達が多いんですよ。 ●「楽しけりゃいいじゃん」っていうような人が? hide:うん。「こっちが本当だ」っていうことをみんな分かってるから笑っちゃえるのね。みんなちゃんとそれが分かってる人達だからできるっていうのはある。 ●さっきのXの解散会見の話に出てきたhideさんのホームページですが、自分にとってどんなツールになっていますか。 hide:趣味ですね、単純に。商売半分趣味半分っていう感じかな? 最初は「○○発売!」っていうのがどこよりも先に出せるということだったりするけど、実験場でもあるのね。分からないことがまだたくさんあるし。やってはいるけど意外にどれだけの人が見てるのかも謎だったりする。 ●ホームページにはhideさんが直接携わってるじゃないですか。だからファンの人達がhideさんを身近に感じられるインターフェイスでもあると思うんですよ。例えば「Xジャパン、タイで再結成か!?」というのが巷で話題になったけど、ホームページにはすぐに「俺のところにはタイの国王からの召集はかかってない」というhideさん本人のコメントが乗せられていましたしね。 hide:逆に僕からしてみたらダイレクトに(ファンからの声が)入っちゃうからつらいとこもあるんですけどね。 ●でも、ファン同志のコミュニケーションがとれているBBS(ホームページを見に来た人ならだれでも書き込める掲示板のようなもの)を1歩下がったところから見ているとおもしろいんじゃないですか。だれかが「あの曲についてだれか知らないですか?」と乗せたら、「その曲は~」と他の人が応えているし。 hide:そうそう。駅の伝言板化してるよね。みんなが勝手に作ってくれてるから、あえて放ってある(笑)。 ●それにホームページからhideさんのキャラクターを感じるんですよ。マメに変わってるし、実際におもしろい。 hide:いろんな人に手伝ってもらうように仕向けてきたからね。だんだんグレードアップしてきた(笑)。 ●トップページのショックウェイブを使った画面(ショックウェイブというソフトを使うことによって動画を見せることができる)もまめに変わってますもんね。 hide:僕も含めて4人ぐらいでやってるんだけど、みんな楽しんでいるから。僕も細かいことやってるもん。細かいっていうか、人知れず更新してたりするもん。だれも知らねえところ(笑)。だれも見ちゃいないようなリンクとかを。 ●少し”Spread Beaver“のアルバムのことも聞きたいのですが、これから約2カ月かけてアルバム制作に入るんですよね。でも、先日”Spread Beaver“のメンバーでもあるKIYOSHIさんにインタビューしたときに、「2カ月でアルバムを作れるわけがない」と豪語していたんですけど、大丈夫ですか。 hide:それは分かんないですよ、やり始めてみなきゃ。”Zilch“のときも2カ月ぐらいだったし、『PSYEN-CE』も2カ月だったっていうのがあるんで、僕は始めちゃうと早いんですよね。 ●のめり込むタイプ? hide:うん。東京にいると全然進まないんですよね。飲みに行く誘いが多いから(笑)。L.A.にいると全然飲みに行かないし、レコーディングを24時間やってるから早いですね。 ●アルバムの曲は全部できてるんですか。 hide:いや、全くスケッチだけですね。スケッチ40曲とかその程度。 ●そのレコーディングのテンションの中で固めていくって感じ? hide:ギリギリまで何が自分の旬になるか分からないから、ギリギリまでアレンジとかしないようにしているし、詞とかもギリギリまで書かないようにしているんですよ。 ●でも、そうなると締め切りのプレッシャーとかすごいんじゃないですか。 hide:それがないといつまでもやれちゃうから、結構締め切りがあるから曲を世の中に出すんじゃないのかな? 旬によってどんどん変わっていくじゃないですか。だから締め切りがあってはじめて、”この時点での 私“っていうのを聴かせられるんですよね。音楽作る人なんかはほんとはわがままで自由人だったりするじゃない? そこが唯一社会性だったりするもんね。 ●確かにそうですよね。このアルバムを出した後は、やっぱりツアーですか。 hide:そうですね。8月ぐらいから年末ぐらいまでかけて、パート1とパート2ぐらいでやろうと。 ●今年は働き者なんですね。 hide:そうですね、だから8月ぐらいに”Zilch“のアルバムも出て、その前後でライブもちょこちょこやって、”Spread Beaver“は全国ツアーをバーってやってって感じですね。 ●去年、あんまり動いていなかっただけに…。 hide:そうなんだよね。よく考えてみると何もやってなかったんだよ。少年ナイフのリミックスとレモネードのコンピレーションを出して、『MIX LEMONed JELLY』やったぐらいなんだよね。前半は”Zilch“のレコーディングしてたし。 ●じゃあ、今年はそのうっぷんを吐き出すって感じですね。 hide:うん、そんな感じかな。今まではXっていう航空母艦があって、ソロが終わったらそこに戻っていくっていう形だったんですけど、戻るところがなくなっちゃったから飛んでなきゃいけないなっていうのがあるから、あんまり何も考えないでずっと飛び続けようかなと思ってるんですけど。着陸しないようにしようと(笑)。 ●着陸すると、落ち着いてしまう。 hide:そうですね。だから、とりあえず年内は着陸しないようにして、「ああ、終わっちゃった」って感じの1年にしたいなと。あんまり先のビジョンまで考えないようにしようかなと。とりあえずいつ野垂れ死んでもいいようにやってりゃいいなっていう(笑)。 ●計画を立てることなく? hide:なんかあんまり意味ない気がして。意味ないっていうか、なんか1つの目標を作ってそこに登るのも美しいけど、それよりも突然現れたものに喜びを感じるタイプだから。 ●今回のインタビューの中で”パンク“という言葉がすごい出てたんですけど、hideさんにとってパンクとはどんなものですか。 hide:何だろうな? 例えばYOSHIKIと付き合って感じることっていうのが、パンクだったりするんですよ。 ●YOSHIKIさんがパンク? hide:だと思うね。パブリックイメージでみんながどう思ってるか知らないけど、僕にとってすごい”KING OF PUNKS“だったりするんですよ。それは何かって言うと”潔さ“だったりするんですね。僕には絶対できないと思うことだったりするし、あの男はまれにみるパンクスですよ。 ●前回のインタビューのときにも「こんな男一生会わないし、二度と会いたくない」って言ってましたよね。 hide:2人はいらないっていうぐらいな感じ? すげえ男だなって思いますよね。だから彼から感じる”潔 さ“っていうのが、僕が子供のときに聴いてたパンクロックの”潔さ“に似てるんですよね。YOSHIKIのハードコアな部分っていうのはまぎれもなくパンクだったりする。 ●YOSHIKIさんにそういう部分があるから、Xを一緒にやってきたということですよね。 hide:そうだね。でも、相変わらず、YOSHIKIが何かやろうって言えばやるけどね。それだけ人間の魅力があるってことだと思うんだけど。 ●解散したからって、もう二度とXをやらないわけじゃないですしね。 hide:うん。っていうかバンドだから、またやりたくなればやりゃあいいんじゃないのかな。 ジャンル別一覧
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