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テーマ:数学(314)
カテゴリ:高校数学
![]() コメント:確率と漸化式の基本を理解するには、非常にいい問題だと思う。 京大の確率の問題と併せて、難関大学の確率の問題になれていってほしい。 問い1: 1回目の操作で赤玉が3個になる確率は、 最初の操作でAから白玉を選び、Bから赤玉を選ぶ確率に等しい。 最初の操作でAから白玉を選ぶ確率は、1/3 最初の操作でBから赤玉を選ぶ確率は、1/3 積の法則より、a1=(1/3)*(1/3)=1/9…(あ) 1回目の操作で赤玉が2個になる確率は、 最初の操作でAから白玉を選び、Bから白玉を選ぶ確率、及び 最初の操作でAから赤玉を選び、Bから赤玉を選ぶ確率の和となる。 前者の確率は、1/3*2/3=2/9.後者の確率は2/3*1/3=2/9 よって、b1=2/9+2/9=4/9…(い) 1回目の操作で赤玉が0個になる確率は0より、赤玉が1個だけ残る確率は 余事象を考えると、1-1/9-4/9 = 4/9。よって c1 = 4/9…(う) 問い2: 袋Aにおける赤玉の個数をX、白玉の個数をYとして、ある回数のボールの個数を(X,Y)であらわす。 (a)… n+1回目が(3,0)である場合は、n回目の状態が(2,1)の場合かつ 次の操作でAの白玉を取り出し、Bから赤玉をもらう場合に限られる。 これは、an+1 = bn*(1/3)*(1/3) = (1/9)*bn…(1)となる。 (b)… n+1回目が(2,1)である場合は、下記3とおりである。 (b-1)…n回目は、(3,0)である場合。 (b-2)…n回目は、(2,1)であり、次の操作でも(2,1)になる場合。 (b-3)…n回目は、(1,2)であり、次の操作で(2,1)になる場合。 (b-1)の確率はanである。(b-2)の確率は、問い1よりbn*4/9である。 更に(b-3)の確率は、次の操作でAから白玉を選び、Bから赤玉を選ぶ確率であり、 cn*(2/3)*(2/3)となる。よってbn+1 = an + (4/9)bn + (4/9)cn…(2)となる。 (c)… n+1回目が(1,2)である場合は、下記3とおりである。 (c-1)…n回目は、(2,1)であり、次の操作で(1,2)になる場合。 (c-2)…n回目は、(1,2)であり、次の操作でも(1,2)になる場合。 (c-3)…n回目は、(0,3)であり、次の操作で(1,2)になる場合。 (c-1)の確率は問い1より(4/9)*bnである。 (c-2)の確率は、次の操作でAで赤玉を選び、更にBでも赤玉を選ぶ確率、 および次の操作でAで白玉を選び、更にBでも白玉を選ぶ確率となり、 前者は、cn*(1/3)*(2/3)=(2/9)*cn。後者はcn*(2/3)*(1/3)=(2/9)*cn よって(4/9)*cnとなる。(c-3)の確率は、余事象を考えると1-an-bn-cnである。 以上より、cn+1=1-(5/9)bn-(5/9)cn-an…(3)となる。 従って、(2)、(3)より、 bn+1+cn+1=1-(1/9)(bn+cn) pn+1 = 1 - (1/9)pn ここで特性方程式x=1-x/9⇔x=9/10を利用すると pn+1 - 9/10 = 1 - (1/9)pn - 9/10 pn+1 - 9/10 = (1/90)*(9-10pn) 10pn+1 - 9 = (-1/9)*(10pn-9) 10pn - 9 = (-1/9)^(n-1)*(10p1-9)=(-1/9)^n pn = (-1/9)^n*(1/10)+(9/10) 問い3: 赤玉の個数の期待値Enを考える。 E1 = 3*a1+2*b1+1*c1=3/9+8/9+4/9 = 5/3 En+1 = 3*an+1 + 2*bn+1 + cn+1 En+1 = (1/3)*bn + 2*[an + (4/9)bn + (4/9)cn] + 1-(5/9)bn-(5/9)cn-an En+1 = an + (2/3)bn + (1/3)cn + 1 En+1 = (1/3)*(3an+2bn+cn)+ 1 En+1 = (1/3)*En + 1 ここで特性方程式x = (1/3)x+1⇔x = 3/2を利用すると En+1 - 3/2 = (1/3)En + 1 - 3/2 = (1/3)*(En - 3/2) En - 3/2 = (1/3)^(n-1)*(E1 - 3/2) En = (1/3)^(n)*(1/2)+3/2 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年02月09日 23時47分02秒
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