2013 千葉大学 理工 三角関数・加法定理の応用
問い tan10°= tan20°*tan30°*tan40°を示せ。☆コメント非常にシンプルな問題ですよね。これはうまく式変形しないと途中で手が止まっちゃう問題かもしれない。どう考えればこの問題が解けるのか?そのプロセスも含めて記録しておこう。===========================================================tan10°= tとおく。加法定理より、下記(1),(2)が成り立つ。 tan20°= tan(30-10)°= (tan30°- tan10°)/(1+tan30°* tan10°) tan20°= (1/√3-t)/(1+t/√3) …(1)tan40°= tan(30+10)°= (tan30°+ tan10°)/(1-tan30°* tan10°)tan40°= tan(30+10)°= (1/√3+t)/(1-t/√3) …(2)(1),(2)より、tan20°* tan40°= (1/3 - t^2)/(1 - t^2/3) tan20°* tan40°= (1 - 3*t^2)/(3 - t^2) …(3)さらに、tan30°= tan(10+20°)= (t+2t/(1-t^2))/(1-2t^2/(1-t^2))tan30°= (3t-t^3)/(1-3*t^2) = t*(3-t^2)/(1-3*t^2)…(4)以上より、tan20°tan30°tan40°= (1 - 3*t^2)/(3 - t^2)*t*(3-t^2)/(1-3*t^2)= ttan20°tan30°tan40°= tan10°となる。===========================================================この問題のキーは、tan30をtan10であらわそうと思うか思わないかといったところです。tan20 = tan(30-10)tan40 = tan(30+10)という式変形は誰でも考える。むしろ、(a+b)*(a-b)の形になるのでこの問題をみたら、まずこのように変形したくなるだろう。だから、(3)までは普通の思考で思い浮かぶ。問題は、後半のtan30°をtであらわそうと思うかどうかである。ここで、tan20°tan30°tan40°= (1 - 3*t^2)/(3 - t^2)*1/√3と計算して手がすすまなくなった受験生が多いのではないか。実を言うと、自分も2分ぐらい迷った。その時の思考プロセスはこんなもの。↓tan20°*tan40°は綺麗な式になるのだから間違っているはずがない。↓しかし、tan30°=1/√3を代入するとここで手が動かないぞ。↓ん??tan30ってtan10の3倍角じゃん!!↓以前、cos20*cos40*cos80=1/8を示せって問題があったけど、このときも3倍角の公式を使ったらうまくいった記憶がある。↓そうか、もしかしてtan30を3倍角でtと表せば、うまく式変形できて、この問題とけるんじゃないの?===========================================================自分は、このように考えたからこの問題に迷わなかった。その理由は、問題の形が違えど、cos20*cos40*cos80=1/8を証明する問題を解いたときに3倍角の公式を使うとうまくいった記憶がよみがえったからだ。このように、数学って時に経験が大事なのかもしれない。天才じゃなければ経験を積もう。今まで解いた似たような問題にヒントが埋まってるかもよ。受験生よ。経験を積むべし!