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ニューストピックス

2008年06月28日
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~前編よりの続き~

ところで、吉野家には会計伝票がありません。お会計は、お召し上がりの器を見てレジを打ちます。

お客様とはカウンター越しに接します。ある日、客席の清掃にカウンターから出たら、

完食されたサラダの容器がカウンターの足元に隠してあったことが一度だけあります。

カウンターにあるショーケースのサラダ類は、セルフサービスなのです。

出来るだけ目を配るようにもしましたが、より有効な方法は、お客様と会話することです。

新店舗なので、顧客ゼロからのスタート。近隣の吉野家さんから流れてくる吉野家ファン、

近くに出来たからと来られる方、通りすがりのトラックの運ちゃん等さまざまですが、

一日も早く「ここの吉野家にまた来たい」と思っていただきたく、

短時間であっても居心地のいい空間、短い言葉であっても温かさを感じる何かを

一丁の牛丼と共にご提供するよう心掛けました。 何といっても、一番の調味料は

“愛情ひとふり”です。 顧客の好みも覚えます。 いつも汁だくの方、

卵と一緒の方、牛丼でなく牛皿の方、ビール頼まれる方、お持ち帰りの方等…

 やがて顧客も増え、お客様にもサニーを覚えていただきました。

次のサニーの出勤日を尋ねてからお帰りの方もおられ、嬉しい限りです。

 

このアルバイトの密かな楽しみは、毎回牛丼が食べられることでもありました。

サニーは当時、ステーキや焼き肉、しゃぶしゃぶ等は全く食べることが出来ませんでしたが、

吉野家の牛丼は食べられたのです。正確に言うと、吉野家にそれまで入ったこともなくて、

アルバイトを始めてから初めて食べたのです。じっくり煮込んであるのと肉片が薄いからでしょうか。

5時間の勤務で、30分の休憩がもらえます。まとめて取ったり、忙しい時は15分休憩で

2回に分けて取ったりしていました。この休憩の時か、勤務の前後に限り、

一人牛丼一丁、確か無料で食べられたと思います。

辛いもの大好きサニーは、紅しょうがと七味を山盛りにして食べていました。汁だくが好きです。

 

店長には、販売促進に繋げようと、閑なときに売上げの推移や来客の動向等を教えてもらいました。

入社しないかとも誘われましたが、就職はエアラインと決めていたので、その旨お伝えしました。

 

しかし、このような楽しいアルバイトの日々は、長くは続きませんでした。

昼間大学の講義を受け、夕方直接アルバイト先のレストランへ。夕方から深夜まで働きます。

日によって、17時~02時、17時~22時、19時~02時、21時~02時など、サニーがシフトを組みます。

02時まで働いた日には、家に帰ることなく直接03時からの吉野家での勤務に直行し、

朝まで働きます。明けたその日は、平日なら当然ながら学校です。1コマ目は出来るだけ

授業を取らないようにしていましたが、それでも寝る時間はおろか、予習・復習の時間が足りません。

サニーの学校は、特に専攻科目に対しては単位に非常に厳しく、

成績以外にも3回遅刻で1回欠席扱い、欠席5回で単位が取れません。

専攻科目で一つでも単位を落とすと進級出来ず、留年となります。

いくらサニーが勉強しなかった学生と言っても、さすがに学業に支障を来すため、

吉野家は辞めることにしました。もともと無謀な計画とは思いつつも、

それだけ飲食業界にハマッてしまい、不思議としんどさは感じず、楽しい毎日でした。

約1ヶ月半、無謀な生活でしたが、身体を壊さず働けて良かったです。

せっかく時間帯責任者にもしていただいたのにすぐに辞めてしまい、

店長には大変申し訳ないです。しかしこの店長からは、意外な言葉が返って来ました。

「短い間だったけど、一緒に働けて良かった。開店時の一番大変な時を支えてくれてありがとう。

またいつでも戻っておいで。たまには(お客として)食べに来いよ!」

さっさと辞めてしまうサニーを、このような温かい言葉で送り出してくれました。

 

今でも、吉野家の前を通るたびに、このアルバイト事件を思い出します。

店長、一緒に働いた仲間たち、たくさんのお客様、本当にありがとうございました。






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最終更新日  2008年06月30日 22時09分26秒
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