副業意識動向
副業意識の動向
◆ビジネスパーソンの副業
サラリーマンの「副業」がちょっとしたブームである。収入面での補足を目的にする場合もあるが、自分の可能性がどこにあるか分からないうちは多方面にチャレンジしたいという精神的な理由も背景にある。平成ビジネスパーソンの「二足のわらじ」の履き方を3種類に分けてみた。
ビジネスパーソンの間で「副業」「サイドビジネス」というキーワードがよく耳にされるようになってきた。巷の書店でもそれに関連した書籍が多く目につく。ちなみにウェブの検索エンジンで『サラリーマン×副業』と検索してみると5万件ものページがひっかかってくる。会社勤めの傍ら、メールマガジンの執筆者になって人気コラムニストになる、ネット上の小売業で副収入を得る、不動産投資で賃貸アパートオーナーになる、はたまた懸賞応募の達人になって豪華商品を次々に当てるなどなど、さまざまなサイトが副業の指南をしてくれる。
アメリカでは、たとえば医学部を卒業した後に、次はロースクールで法学の修士号を取るといったいわゆるダブルメジャーの人間がよくいる。それと同じように、上のような昨今のビジネスパーソンたちの副業志向は、働く舞台、もしくは稼ぐ手段を2つ以上持とうといった「キャリアのダブルメジャー」化の表れなのかもしれない。そのキャリアのダブルメジャリストにはおおまかに次の3種類があると思われる。
▼3種類のダブルメジャリスト
1.収入補助系ダブルメジャリスト
デフレの時代、年収300万円の時代といわれる経済状況の中にあって、給与所得は下がりやすくなっても、なかなか簡単には上がってはくれない。また、預金金利も微々たるものである。そこで副収入を得るために副業を行うというものである。その主な手段として、ネット小売業、賃貸不動産オーナー、株の投資家などがある。特にネット小売業は、「アフィリエイト」制を取り入れて副業を始めるケースが目立っている。「アフィリエイト」とは有名ネットショップと提携して、その商品を自分のウェブサイトやメルマガで宣伝し、そこを経由して販売成立すると自分に報酬が支払われるというものだ。商品仕入れや販売のリスクや手間がなく、コミッションだけが入ってくるので手軽である。
2.趣味発展系ダブルメジャリスト
たとえば趣味の中国茶が高じて、その世界では少しは知られた専門家となり、雑誌の取材をよく受けたりするある企業の女性社員。また、地元の少年サッカーチームをいまや全国大会の常連として進出させる名監督の肩書きを持つある企業の男性社員。これらは、趣味が発展して、普段の仕事とは全く異なった舞台で自分を発揮するケースである。仕事のONとOFFの切り替えがうまくできる人は向いているだろう。
3.天職模索系ダブルメジャリスト
『半農半著』とは、屋久島に在住する作家、星川淳氏のキーワードである。エコロジカルな農的生活を実践しながら、その傍ら著述業で社会にメッセージを発信するという生き方を「半農半著」と表現したのだ。これを受けて、塩見直紀氏は『半農半Xという生き方』(ソニーマガジンズ刊)を著した(塩見氏は関西に本社のある通販会社でサラリーマンをしていたのだが、そこを退職して、いまは京都府で農業に従事している)。彼のコンセプトである「半農半X(エックス)」とは、半分は主義としての農業を営み、残り半分は自分のライフワーク、使命を見つけて全うしていくというものである。「農」と「X」が双方で影響しあうダブルメジャーの姿を理想としている。X(エックス)には、人それぞれに何がはいってもよい。
いずれにしても、自分の可能性はひとつの分野ではないし、そもそも20代、30代のうちから天職に出会えることも少ない。自分探しのために「半サラリーマン半X」的なダブルメジャーを志向するのもいいかもしれない。あなたの場合、「X」の部分には、さて何が来るであろうか?
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