国民年金国民年金の動向
◆国民年金、17年ぶり赤字 積立金382億円取り崩し 自営業者らが加入する国民年金の02年度の実質収支が17年ぶりの赤字に転落し、積立金から382億円を取り崩して穴埋めしていたことがわかった。受給者増で支出が膨らむ一方、納付率の低下で収入も落ち込んでいるためだ。社会保険庁は03年から特別対策本部を作り収入確保を図っているが、少子高齢化で収支悪化は加速が見込まれ、早期に成果が出なければ、今後も積立金の取り崩しが予想される。 02年度の国民年金の実質支出は前年度比2.7%増の3兆5834億円。年金受給者が98万人増えて2122万人になったうえ、老齢年金の平均給付額も月5万2000円とこの5年間で約5000円アップした。一方、実質収入は前年度比2%減の3兆5453億円。うち保険料収入は1兆8958億円と580億円減少。運用収入も株式市況の低迷で1897億円と366億円減った。収支は382億円の赤字となり、9兆9000億円ある積立金の一部を取り崩して充てた。 受給者は年90万人規模で増えており、支出は10年前より1.4兆円増えている。一方、収入は96年度の3.8兆円をピークに減り始め、02年度は収納業務が市町村から国へ移管となったことなどで急減した。納付率は62.8%と01年度に比べて8ポイント悪化した。都市よりも郡部、若者よりも中高年の落ち込み幅が大きかった。 国民年金の積立金の取り崩しは6回目だが、過去5回はいずれも制度改正に伴う措置。83~85年度は基礎年金の導入、76、77年度は給付への国庫負担の見直しに伴うもので、収入減や給付増という構造的な要因の取り崩しは初めて。 ◆政府への要望、景気対策より医療・年金 内閣府世論調査 国民の政府に対する要望は、社会保障制度の改革が最も多く、98年以来トップだった景気対策を逆転したことが、内閣府が2004年9月に公表した「国民生活に関する世論調査」でわかった。景気が回復基調にある一方、年金や医療に対する不安が表れた結果となった。 政府への要望を複数回答で聞いたところ、「医療・年金等の社会保障構造改革」との答えが67.7%(前年比5.8ポイント増)で最多。これに「景気対策」58.6%(同8.8ポイント減)、「高齢社会対策」49.8%、「雇用・労働問題」41.3%(いずれも同1.6ポイント減)と続いた。98年以降、99年を除いて今回と同じ選択肢の質問を続けているが、毎年、景気対策が1位だった。 景気に関連する質問では、現在の所得や収入に「満足」と答えた人が41.6%(同2.6ポイント増)、「不満」が54.8%(同2.8ポイント減)で、やや改善した。また、悩みや不安を複数回答で尋ねたところ、「老後の生活設計」を挙げた人が51.8%(同1.8ポイント増)で、昨年に続いて1位だった。
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