かぜの治療「かぜは薬で治さない」 学会が指針
かぜを治す薬がないということを知っている人は少ないようです。 熱を下げる、せき止めとか症状を押さえる薬はあっても、かぜそのものを治す薬はないことを日本呼吸器学会が公表したことになります。 熱が上がりすぎるとまずいですが、身体は熱を上げて自己免疫力を上げてかぜと戦っているのに、熱を下げて免疫力を下げてしまっては何をしているのかわかりません。 医療事情に明るく健康意識が高い私達の常識だと思っていたことを日本呼吸器学会がまとめたという画期的なニュースです。 自宅安静も安易に市販かぜ薬に手をださない方が無難なようです。 今から、かぜの予防に市販かぜ薬を飲むという人がいるらしいですが、信じられません。 私は免疫力を高く維持する方法を駆使していますので、かぜとは無縁です。何事も予防に勝る治療なしです。 また、ひきはじめに十分なケアをすれば一晩くらいで治ります。 医師がカゼをひくと患者に処方することと違うことをしていることを知っている人は少ないと思います。 ビタミン剤の効能を知っている医師は大量の抗酸化ビタミン入り点滴をするようです。 ハーブの効能を知っている医師は免疫を上げるハーブサプリメントを摂るようです。 漢方を知っている医師は免疫を上げる漢方サプリメントを摂るようです。 これらの代替医療を知っている医師はこれらを組み合わせて治すようです。 ◆軽ければ自宅で安静に 「かぜは薬で治すものではありません」という治療指針を日本呼吸器学会が03年11月にまとめた。 かぜの診療指針「成人気道感染症診療の基本的考え方」は、開業医などへの啓発のため、冊子やチラシでも配布されている かぜを医学的に言うと、急性上気道炎。のどから鼻までの部位が、主にウイルス感染で炎症を起こした状態だ。発熱、鼻汁、のどの痛み、せきなどの症状が現れる。成人なら平均して年に3、4回はかかる。 日本呼吸器学会がまとめたのは、診療指針「成人気道感染症診療の基本的考え方」。普通のかぜと、初期症状が似たインフルエンザや細菌感染との違い、それぞれの治療の科学的な根拠を明確にするために作成した。このうち普通のかぜについてのポイントは以下の通り。 ガイドライン作成委員長の川崎医大呼吸器内科教授の松島敏春さんは「急激な症状がなければ、3、4日間は医療機関へ行ったり、薬を飲んだりする必要はない。自宅での安静を心がければ、大抵は自然に快方に向かう」と説明する。 かぜの常識 (「成人気道感染症診療の基本的考え方」より) 〈1〉自然に治るもので、かぜ薬で治るのではない。 〈2〉普通は3-7日で治るが、14日程度かかる場合も。 〈3〉ほとんどがウイルス感染。ただし、インフルエンザを除いて、有効な抗ウイルス薬は存在しない。 〈4〉抗菌薬(抗生物質)はかぜに直接効くものではない。 〈5〉抗菌薬を乱用すると、下痢やアレルギーの副作用や薬が効かない耐性菌を生み出す危険がある。 〈6〉かぜ薬は、症状の緩和が目的の対症療法にすぎない。 〈7〉多くのかぜ薬、特に総合感冒薬は、連用すると発疹(ほっしん)や発熱、胃腸障害など副作用の危険がある。 〈8〉発熱は体がウイルスと戦っている免疫反応で、ウイルスが増殖しにくい環境を作っている。 〈9〉解熱・鎮痛薬は、症状が激しい場合にのみ頓服として使う。アセトアミノフェンなど作用が穏やかな薬が推奨される。 〈10〉十分な食事が取れない時や消化性潰瘍(かいよう)がある人、アスピリン喘息(ぜんそく)、腎不全の人はアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの解熱・鎮痛薬は飲んではいけない。 〈11〉症状の持続(4日以上)や悪化が見られる時は医師の診断が必要。 〈12〉予防にはうがい、手洗いが有効。うがいには殺菌効果があるポビドンヨード(イソジン)が望ましい。 〈13〉発症時、特に発熱時に最もウイルスをうつしやすい。 ◆抗菌薬乱用に歯止め 日本のかぜ治療には問題が指摘されてきた。抗菌薬(抗生物質)は原因の9割を占めるウイルス感染には効かない。ところが医療機関を受診すると、患者の半数以上に抗菌薬が処方される。患者の側もそれに慣らされ、抗菌薬を希望して医療機関を受診する傾向がある。 松島さんは「弱った体への細菌感染を予防する目的で抗菌薬が処方されているが、効果があるという科学的な根拠はない。逆に抗菌薬の乱用が耐性菌の増加を招き、院内感染にもつながっている」と指摘する。診療指針を作った目的の一つは、抗菌薬の乱用に歯止めをかけることにある。 かぜにかかったと思ったときには、普通のかぜか、治療薬に効果があるインフルエンザ、細菌感染かを、区別することが対処を決める上での第一歩になる。自宅療養で治すか、医療機関を受診するかは、症状の違いで決める。ただの軽いかぜなら、薬なしで自宅療養で治せる。症状がつらければ楽にするために対症療法の薬も役立つ。インフルエンザや細菌感染なら、医療機関にかかり、抗インフルエンザ薬や抗菌薬の投薬を受けるのが効果的だ。 かぜのめやす 発熱:38℃以下 鼻汁:透明感あり のどの痛み:軽い せき:軽い 今回の指針は大人を対象にしたもので、子供については、小児呼吸器疾患学会と小児感染症学会が、指針作成の検討中だ。 ガイドライン委員長で千葉大名誉教授の上原すゞ子さんは「小学校高学年以上になれば大人用の指針に準じて考えてもいいと思う。しかし、子供の場合、症状の変化が早く、特に乳幼児は自分で症状を訴えられないので肺炎などの危険な兆候を判断しにくい。注意深く子供の様子を見て、ぐったりしているとかいつもと違う様子があれば、早めに小児科医に相談することが大切だ」と話している。
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