プラセボ効果プラセボ効果を除いた臨床データの必要性日本で初めてビタミン外来を創った稲毛病院佐藤務先生の講演より 安易にサプリメントを否定して患者の健康になる権利を奪ったり、 西洋医学を否定し、サプリメントなどで安易に補完療法だけを推奨して 患者の治療を受ける権利を奪う医療者は淘汰されていく。 21世紀はサプリメントを活用しないと健康に生きていけない時代になった。
高齢化社会になり、健康に関心を持つ方が増えています。 2001年末の讀賣新聞の全国世論調査では心配、不安なこととして、 1位:自分や家族の健康・病気 :53% 2位:自分や家族の将来 :37% 3位:収入・家計 :36% と健康がダントツでした。 そんなことから最も重要な生活習慣を省みることなく、安易に健康食品に手を出す人がでてくるわけです。 医薬品は効果を科学的に証明するために二重盲検法というプラセボ効果を取り除く臨床試験をしていますので、効果があることは証明できていますが、安全性の証明ではありません。 医薬品は薬効の主作用と悪い副作用があり、主作用を重視しての試験なので、副作用については詳しく調べられていません。 臨床データも二重盲検法にしていないと信用できるデータにはなりません。何のデータもない健康食品が平気で売れる日本は、悪徳業者にとっては天国です。 今回の中国製ダイエット健康食品のように本当に天国に行かないためにも、吟味して使いたいものです。 ◆人の体とプラセボ効果 人の体には、とても不思議な一面があります。乳糖やでんぷんなど、薬としての効き目のないもので錠剤やカプセル剤をつくり、頭痛の患者に本物の薬として服用してもらう実験をすると、半数くらいの人が治ってしまうこともあります。薬(に似たもの)を飲んだという安心感が、体にひそむ自然治癒力を引き出すのかも知れません。 これを「プラセボ効果」といいます。プラセボは、一般に偽薬(ぎやく)と訳されていますが、薬に似せた気安めのものといってもいいでしょう。 では、プラセボが薬の替わりになるのかといえば、それは違います。プラセボ効果は人によって差が大きく、効果が出るとは限らないため、積極的な治療効果が期待できません。それに対して薬は、できるだけ多くの患者に安定して高い効果を発揮するように作られています。 ◆薬とプラセボの違い その一つの例を、プラセボを利用した臨床試験にみることができます。臨床試験において治験薬の効果を調べるには、すでにある類似薬(対照薬)と比較する方法が、もっとも一般的です。かりに治験薬が、血圧を下げる効果を持つことを証明したい場合なら、すでに認可されている降圧剤のなかから類似した対照薬を選び、それと比較します。 しかし、治験薬がいままでにないタイプの新薬であったりした場合、比較すべき適当な対照薬がないこともあります。そうした場合には、外観や味を治験薬とまったく同じにしたプラセボをつくり、比較試験を行います。 その際、プラセボでもある程度の効き目がみられる可能性があります。そこで治験薬は、プラセボと比較してはっきりと上回る効き目があって、初めて薬として認められるのです。 ◆比較試験の方法 比較試験を行う場合、被験者を二つのグループに分け、片方には治験薬を、もう一方には対照薬、あるいはプラセボを渡す方法が取られます。それぞれのグループごとに効き目、安全性、用法などのデータを集積し、両者を比較することで、治験薬を公正かつ客観的に評価するわけです。 そのとき、担当する医師にも被験者(患者)にも、渡される薬の区別がつかないようにしたうえで、第三者の作成した割り付け表にしたがって実施する方法を、「二重盲検法」といいます。もしも、渡された薬がどちらかわかってしまうと、とくにプラセボを使う場合には、そこに医師や患者の感情などが入ることも考えられます。二重盲検法はそうした可能性を除外し、公正で客観的なデータを得るためのものです。 「続・薬の常識 研究開発Q&A」 山崎幹夫(千葉大学名誉教授)監修 日本製薬工業協会 より抜粋
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