世界監視研究所(Worldwatch Institute)が「バイタルサイン2005」(Vital Signs 2005) という報告書を発表しました。日付は不明ですが、同研究所のサイトには「最新刊」と表示されています。世界はこれまで以上に多くの食料・原料・天然資源を生産・消費し、人々が気づかないまま生態系の質を低下させ、貧しい人びとが取り残されていると警告しました。同研究所は92年から毎年「バイタルサイ
ン」を発行していて、今年は中国経済が世界に与える影響に光を当てています。
中国の石油消費量は04年に11%増加し、1日660万バレルになった。ここ16年間で04年に世界の石油消費量がもっとも急速に増加するのに貢献した。世界の鉄鋼の生産量は最高を記録し、10億トンを超えた。これには中国による鉄鋼生産が大きく貢献している。中国経済は04年に9%拡大したため、大気汚染で59万人の子どもが死亡し、二酸化炭素の排出量は90年と比べて47%増大した。03年の二酸化炭素排出量の増加は半分が中国によるもので、米についで世界第二位の排出国となっている。
今後はインドなどの経済成長が大きな影響を持つようになる。予測不能の大きな変化が起きつつある、と同研究所のクリストファー・フレービン理事長は語りました。しかしそれにもかかわらず、先進国の天高く舞い上がるような消費増大がやはり主な脅威であることに変わりはない、とも話しています。
米の二酸化炭素排出量は世界の4分の1を超え、石油の消費量も4分の1に達しています。貧乏国と金持国の格差は 60年以降、2倍に拡大しました。世界の人口の半分は一日2ドル未満で生活しています。
飢餓におちいっている人びとの数が70年以来はじめて増加しました。
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世界監視研究所
(出典:世界の環境ホットニュース[GEN])