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2015/02/04
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カテゴリ:病気・医療関連
日本でも認知症は増加し、厚生労働省の2012年調査では認知症患者は462万人、認知症予備軍の軽度認知障害(MCI)患者は推計400万人、合わせると65歳以上の高齢者の4人に1人でしたが、別の調査では認知症患者の高齢者推計は550万人と65歳以上の18%となり、20年で6倍に増えていました。
2025年には認知症高齢者が700万人(5人に1人)に急増 し、軽度認知障害(MCI)患者と合わせると軽く1000万人を超えるわけです。

認知症将来推計2014.jpg

最も罹りたくない認知症は何種類かあり、その一つのアルツハイマー病は世界経済危機をもたらすと警告されたり、国際アルツハイマー病協会から認知症増大予測で対策強化の政策提言が出るほど増えていますが、よい治療法がないので高齢化国を悩ませています。最もよい対策は個人が取り組む的を射た認知症予防策の習慣化です。

そんなことから厚生労働省は2012年に「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が発表されたり、2013年12月に「主要国(G8)認知症サミット」、11月5日6日には「G8認知症サミットの後継国際会議」が日本で開催され、認知症対策は重要な国家戦略として「オレンジプラン」を見直し、「新オレンジプラン」が発表されています。


一番多いアルツハイマー病は、一言で言うと「脳内にゴミがたまる現象」で、そのゴミとして比較的知られているのが、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質ですが、数年前くらいから注目を集めているのが、「タウ」と呼ばれるたんぱく質で、βアミロイド以上に悪さをすることが分かったそうです。


2012年内閣府・高齢者の健康に関する意識調査によると、健康管理の行政への要望の1位が認知症でした。
また50~70代の脳に関する意識調査では、91%が脳の働きに老化を感じていますが、何か対策を講じている人は24%しかおらず、対策をしていない人の85%が対策を知らない・わからないと回答しているように戦後の日本人らしく自己責任意識が希薄です。


歩行速度は新しい認知症診断テストの鍵とまで言われています。運動機能や筋力と認知症リスクに関する研究成果が数多く報告されていますが、運動することは重要ですね。

運動で得られるメリットはたくさんあり、いくつになってからはじめても遅すぎることはありませんが、やらない人はやりませんね。
今年の厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうで、国民皆保険に甘えて世界一医療に依存する自己責任意識が乏しい日本人の一面です。
健康的な生活習慣を無視して好き放題の人は、やらない理由を探すのが得意だったり、「一寸先は病み」の現代で将来の健康がいかに蝕まれるかの想像力が乏しいとか、根拠のない自信を持ち過ぎの傾向があるようです。

終末期医療専門医の著書「死ぬときに後悔すること25」によれば、後悔の1位は「健康を大切にしなかったこと 」で、死ぬ時に気がついても後の祭りで間に合いません。
また、55~74歳の男女1060人に聞いた「リタイア前にやるべきだった後悔」の健康部分の第2位が「スポーツなどで体を鍛えればよかった」なので、後悔するなら今からやっても十分間に合います。

・人生で今日が一番若い。
・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生)
・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵)


世界最大の医療研究機関、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が提唱した認知症予防のための生活習慣は、

1.運動習慣をつける。
2.高血圧を改善する。
3.人的交流など社会認知活動を増やす。
4.2型糖尿病の改善する。
5.地中海食などバランスのいい食事を摂る。
6.適正体重の維持(生活習慣病の改善)。
7.禁煙する。
8.うつ状態の改善。

の8つをあげ、最大の予防策は運動習慣だと言っています。

国立長寿医療研究センターが認知症予防のために開発した、運動と頭の体操を組み合わせた「コグニサイズ」はよい方法だと思います。

コグニサイズ.jpg

ウォーキングをしている人はたくさんおられますが、十分な効果を得るにはインターバル速歩がおすすめです。
ストレッチ、ウォーミングアップをしてから
・運動強度:70% 3分
・運動強度:40% 3分
この6分を1セットとして繰り返して1回3~10セット、週20セット(120分)がよいそうです。

運動強度は心拍数で管理するのが一番です。 
カルボーネン法
私の実測最大心拍数は170、安静時心拍数は52
・70%強度 
 {(220-年齢)-安静時心拍数}×70%+安静時心拍数
 私の場合は135
・40%強度
 {(220-年齢)-安静時心拍数}×40%+安静時心拍数
 私の場合は99

週刊文春2013年11月14日号に出ていたデュアルタスク・心拍数ウォーキングや学習療法がよさそうなので学習療法士の資格を取りました。

また、認知症サポーターは全国に550万人おられるそうで、私もなりましたがこれもおすすめします。 ...


時代は進み、アルツハイマー病の原因と言われている細胞内異常タンパク質をうまく除去することが出来る革命的な発明がされ、これも活用しています。

認知症の予防もむずかしくないと思っていますので予防したい方は、お互いに明るく楽しく元気に笑顔で顔晴(がんば)りましょう。

****************************【以下転載】****************************

群馬大学大学院保健学研究科の山口晴保教授が著書(山口晴保:認知症予防 ─読めば納得! 脳を守るライフスタイルの秘訣─ 協同医書出版社発行, 東京, 2010, pp68-69)の中で、「ライフスタイルと認知症」に関する非常に興味深いデータを示しておられますので、以下にご紹介します。

「アフリカのナイジェリアに住むヨルバ(Yorba)族の高齢者2,459名と、米国のインディアナポリスに在住するアフリカ出身の高齢者2,212名を比較検討した研究です。

どちらも同様な遺伝的背景をもつ人々なのに、生活環境の違いが種々の疾患の発症に大きな違いをもたらしていました。まず、いわゆる生活習慣病の既往歴からみると、米国在住者ではアフリカ在住者に比べて高血圧症が約3倍、糖尿病が約10倍、脳卒中が約8倍に増えています。

そして、認知症の有病率(患者数を反映)は米国在住者で約4倍、アルツハイマー病でも約4倍に増えていました。米国在住者の教育レベルはヨルバ族よりもずっと高いこと、つまり、本来ならば米国在住者のほうが発症リスクが低いはずなのに4倍高いことから、教育以外の生活習慣が4倍以上にリスクを高めていることがわかります。」(Ogunniyi A, Baiyewu O, Gureje O et al:Epidemiology of dementia in Nigeria: results from the Indianapolis-Ibadan study. Eur J Neurol Vol.7 485-490 2000)

2012年4月14日付の朝日新聞『be on Saturday』においては、「認知症は予防できる」というタイトルで、「生活習慣のコントロールが鍵」と報じられました。この記事で特に私が注目した内容は、「東京医科大の糖尿病外来で、糖尿病の高齢患者240人を調べてみたら、認知症と診断されていない人でも37%に『認知症またはその疑い』があった」という部分です。糖尿病の患者さんでは、特に留意する必要があるということになりますね。

東京医科大学老年病科の羽生春夫教授は、「基礎的な研究から、インスリン抵抗性や高インスリン血症が脳内のβアミロイド沈着を促進し、AD病理を促進する分子メカニズムも少しずつ明らかとなってきている。そこで、インスリン代謝異常の是正がADの治療となりうる可能性が検討され、インスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾンが認知機能障害の進行抑制に効果的であった」(羽生春夫:老年医学から見た認知症の臨床.2012年4月14日発行日本医事新報No.4590 71-75)ことを報告しています。


笠間睦
1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックとの関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務。診療情報部長を務める。
認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成――こうした「全国初の業績」を3つ持つという。

(出典:朝日新聞)






最終更新日  2015/02/04 04:56:48 AM
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