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2015/04/30
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カテゴリ:病気・医療関連
認知症研究・進行阻止、発症前が勝負 重症治療から戦略転換


認知症は西洋医学では治らないので、発症前や初期の段階での進行を阻む試みが始まったそうです。


認知症には、アルツハイマー型以外に、血管が破れたり、詰まったりする脳卒中により神経細胞が壊れる血管性認知症も知られています。両タイプの認知症には共通の危険因子として動脈硬化の原因とされるメタボがあり、若年期からのメタボの積極的な管理、予防が、認知症予防に極めて有効だそうです。そのためには、食生活や運動、禁煙など日常の生活習慣を改善することが大切だと研究者は指摘されています。


認知症で一番多いアルツハイマー病は、一言で言うと「脳内にゴミがたまる現象」で、そのゴミとして比較的知られているのが、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質ですが、数年前くらいから注目を集めているのが、「タウ」と呼ばれるたんぱく質で、βアミロイド以上に悪さをすることが分かったそうです。


日本でも認知症は増加し、厚生労働省の2012年調査では認知症患者は462万人、認知症予備軍の軽度認知障害(MCI)患者は推計400万人、合わせると65歳以上の高齢者の4人に1人でしたが、別の調査では認知症患者の高齢者推計は550万人と65歳以上の18%となり、20年で6倍に増えていました。
2025年には認知症高齢者が700万人(5人に1人)に急増 し、軽度認知障害(MCI)患者と合わせると軽く1000万人を超えるわけです。

認知症将来推計2014.jpg

最も罹りたくない認知症は何種類かあり、その一つのアルツハイマー病は世界経済危機をもたらすと警告されたり、国際アルツハイマー病協会から認知症増大予測で対策強化の政策提言が出るほど増えていますが、よい治療法がないので高齢化国を悩ませています。最もよい対策は個人が取り組む的を射た認知症予防策の習慣化です。

そんなことから厚生労働省は2012年に「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が発表されたり、2013年12月に「主要国(G8)認知症サミット」、11月5日6日には「G8認知症サミットの後継国際会議」が日本で開催され、認知症対策は重要な国家戦略として「オレンジプラン)」を見直すことが決まりました。


2012年内閣府・高齢者の健康に関する意識調査によると、健康管理の行政への要望の1位が認知症でした。
また50~70代の脳に関する意識調査では、91%が脳の働きに老化を感じていますが、何か対策を講じている人は24%しかおらず、対策をしていない人の85%が対策を知らない・わからないと回答しているように戦後の日本人らしく自己責任意識が希薄です。


歩行速度は新しい認知症診断テストの鍵とまで言われています。運動機能や筋力と認知症リスクに関する研究成果が数多く報告されていますが、運動することは重要ですね。

運動で得られるメリットはたくさんあり、いくつになってからはじめても遅すぎることはありませんが、やらない人はやりませんね。
今年の厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうで、国民皆保険に甘えて世界一医療に依存する自己責任意識が乏しい日本人の一面です。
健康的な生活習慣を無視して好き放題の人は、やらない理由を探すのが得意だったり、「一寸先は病み」の現代で将来の健康がいかに蝕まれるかの想像力が乏しいとか、根拠のない自信を持ち過ぎの傾向があるようです。

終末期医療専門医の著書「死ぬときに後悔すること25」によれば、後悔の1位は「健康を大切にしなかったこと 」で、死ぬ時に気がついても後の祭りで間に合いません。
また、55~74歳の男女1060人に聞いた「リタイア前にやるべきだった後悔」の健康部分の第2位が「スポーツなどで体を鍛えればよかった」なので、後悔するなら今からやっても十分間に合います。

・人生で今日が一番若い。
・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生)
・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵)


世界最大の医療研究機関、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が提唱した認知症予防のための生活習慣は、

1.運動習慣をつける。
2.高血圧を改善する。
3.人的交流など社会認知活動を増やす。
4.2型糖尿病の改善する。
5.地中海食などバランスのいい食事を摂る。
6.適正体重の維持(生活習慣病の改善)。
7.禁煙する。
8.うつ状態の改善。

の8つをあげ、最大の予防策は運動習慣だと言っています。

国立長寿医療研究センターが認知症予防のために開発した、運動と頭の体操を組み合わせた「コグニサイズ」はよい方法だと思います。

コグニサイズ.jpg

時代は進み、アルツハイマー病の原因と言われている細胞内異常タンパク質をうまく除去することが出来る革命的な発明がされ、これも活用しています。

認知症の予防もむずかしくないと思っていますので予防したい方は、お互いに明るく楽しく元気に笑顔で顔晴(がんば)りましょう。

****************************【以下転載】****************************

アルツハイマー病を中心とする認知症の治療研究が新たな段階に入った。最初はどんな患者も治すことを目指していたが、症状が進むと太刀打ちできなかった反省から、発症前や初期の段階で進行を阻む試みが始まった。新たな原因物質に狙いを定める動きも出てきた。早期診断をもとに進行を遅らせる取り組みも期待を集めている。高齢化社会で増え続ける認知症の克服に向けた第2幕を追った。

認知症.jpg

65歳以下の年齢でアルツハイマー病を発症する家系がある。ふつうは原因物質が何らかの理由で脳にたまり、いつの間にか神経の機能を失う。この家系は原因遺伝子を受け継ぎ、将来の発症時期がほぼわかる。遺伝性のアルツハイマー病だ。


2年かけて追跡

発症から症状が重くなる経過を観察すれば、治療の手掛かりがつかめる。米ワシントン大学などは「DIAN(ダイアン)」と呼ぶ研究計画を2008年に始めた。

同計画の日本版が、6月に立ち上がる。米ワシントン大学の研究者らが来日し、発足の式典を京都市で開く。「ダイアン ジャパン」をけん引する大阪市立大学の森啓名誉教授は「発症前から追い続けるので、発症過程や進行具合が詳細にわかる」と意義を説く。

臨床研究では、両親などが認知症を患った20歳以上の予備軍や発症初期の50~60人を2年かけて追跡する。発症の原因となるたんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」が脳内にたまる様子や、海馬の萎縮などを調べる。

条件が整えば、原因物質を防ぐ薬を投与し、予防や進行の抑制効果を確かめる。遺伝性ではない人の治療にもつながる。森名誉教授は「治療法の開発を加速させたい」と意気込む。

発症前後の人に研究の焦点が移ってきたのは、治療薬開発の失敗が相次いだからだ。00年代から欧米の製薬企業などが重症患者の臨床試験(治験)を進めてきたが、良い結果が出なかった。

患者の脳にはアミロイドβが発症の約20年前からたまり始める。数年前から認知機能が少しずつ低下する。当初は、アミロイドβを除去したり増加を抑えたりする薬で治せるとの楽観論があった。だが認知機能は低下し続けた。「ある程度の神経細胞が既に死んでいるとみられ、薬の効果が出にくい」(東京大学の富田泰輔教授)

そこで注目されるのが発症初期の患者に使う治療薬だ。エーザイはアミロイドβのもとになるたんぱく質の断片を作らせない薬を開発した。発症初期の700人選び、米国で第2相試験を進めている。「アミロイドβの蓄積を早い段階で止めれば認知機能の低下の抑制につながる可能性がある」(エーザイ)

海外勢も英アストラゼネカなどが日米欧で初期の患者を対象に大規模な第3相試験を実施中だ。


有望な標的浮上

新たな原因物質を狙う治療法も視野に入ってきた。有望な標的に浮上したのが脳の神経細胞にたまるタウたんぱく質だ。

アミロイドβは早い時期から脳にたまり、ある程度の量になるとタウたんぱく質の蓄積を促し、神経細胞を壊すことがわかってきた。タウたんぱく質が増える時に取り除けば、新たな治療戦略につながる。

「共同研究がしたい」。放射線医学総合研究所の樋口真人チームリーダーのもとには、欧米企業から熱心な申し出が相次ぐ。樋口チームリーダーらは13年、脳内のタウたんぱく質を陽電子放射断層撮影装置(PET)の画像で見る技術を開発した。発症の兆候や治療薬の効き目を見極める有力な技術となる。

放医研も臨床研究に乗り出した。日本医科大学など国内10カ所以上の機関と協力し、患者など約400人でタウたんぱく質の蓄積と発症の関係を5年かけて探る計画だ。

タウたんぱく質の研究は、アミロイドβ一辺倒だった治療戦略に見直しを迫る。早期の治療にかじを切る流れと合わせ、認知症との闘いが転機を迎えている。国は、1月に認知症対策の国家戦略を発表した。5年以内に日本発の根治薬の治験開始などをめざす。

国内の認知症患者は12年の約460万人から25年には約700万人まで急増すると予測されている。時間が限られるが、やるべきことは多い。

(出典:日本経済新聞)






最終更新日  2015/04/30 05:59:12 AM
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