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カテゴリ:病気・医療関連
全国40~69歳の男女1200人を対象とした「認知症予防に関する意識調査」によると、認知症の予防に役立つ情報に関心がある人は6割近くにのぼり、認知症予防に有効だと思われる食事や運動習慣を改善するための情報を望んでいるそうです。
2012年内閣府・高齢者の健康に関する意識調査によると、健康管理の行政への要望の1位が認知症でした。 また50~70代の脳に関する意識調査では、91%が脳の働きに老化を感じていますが、何か対策を講じている人は24%しかおらず、対策をしていない人の85%が対策を知らない・わからないと回答しているそうです。 認知症には、アルツハイマー型以外に、血管が破れたり、詰まったりする脳卒中により神経細胞が壊れる血管性認知症も知られています。両タイプの認知症には共通の危険因子として動脈硬化の原因とされるメタボがあり、若年期からのメタボの積極的な管理、予防が、認知症予防に有効だそうです。そのためには、食生活や運動、禁煙など日常の生活習慣を改善することが大切だと言われています。 日本でも認知症は増加し、厚生労働省の2012年調査では認知症患者は462万人、認知症予備軍の軽度認知障害(MCI)患者は推計400万人、合わせると65歳以上の高齢者の4人に1人でしたが、別の調査では認知症患者の高齢者推計は550万人と65歳以上の18%となり、20年で6倍に増えていました。 2025年には認知症高齢者が700万人(5人に1人)に急増 し、軽度認知障害(MCI)患者と合わせると軽く1000万人を超えるわけです。 また64歳以下までの認知症を若年性認知症と呼び、まれに10代後半で発症することもあるそうで、若年性認知症の推定患者数は約3万8000人と言われています。 最も罹りたくない認知症は何種類かあり、その一つのアルツハイマー病は世界経済危機をもたらすと警告されたり、国際アルツハイマー病協会から認知症増大予測で対策強化の政策提言が出るほど増えていますが、よい治療法がないので高齢化国を悩ませています。最もよい対策は個人が取り組む的を射た認知症予防策の習慣化です。 そんなことから厚生労働省は2012年に「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が発表されたり、2013年12月に「主要国(G8)認知症サミット」、2014年11月5日6日には「G8認知症サミットの後継国際会議」が日本で開催され、認知症対策は重要な国家戦略として2015年1月に「新オレンジプラン」が発表されています。 一番多いアルツハイマー病は、一言で言うと「脳内にゴミがたまる現象」で、そのゴミとして比較的知られているのが、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質ですが、数年前くらいから注目を集めているのが、「タウ」と呼ばれるたんぱく質で、βアミロイド以上に悪さをすることが分かったそうです。 歩行速度は新しい認知症診断テストの鍵とまで言われています。運動機能や筋力と認知症リスクに関する研究成果が数多く報告されていますが、運動することは重要ですね。 運動で得られるメリットはたくさんあり、いくつになってからはじめても遅すぎることはありませんが、やらない人はやりませんね。 日本は平均寿命こそ世界一ですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうです。そんなことから日本人の主観的健康度は主要36カ国中36位(2015年OECD調査)と最下位で、驚くほど低率です。 健康的な生活習慣を無視して好き放題の人は、やらない理由を探すのが得意だったり、「一寸先は病み」の現代で将来の健康がいかに蝕まれるかの想像力が乏しいとか、根拠のない自信を持ち過ぎの傾向などがあるようです。 世界23カ国の健康意識調査で、健康的な食生活は23カ国平均は59%が意識しているのに対して、日本は半分以下の29%・最下位で、十分な睡眠をとる:54%(ワースト3)、定期的な運動:39%(最下位)という世界一の健康オンチ国です。 厚生労働省の調査によれば、運動など健康増進の習慣がある人は男女とも3割にとどまり、健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額です。 終末期医療専門医の著書「死ぬときに後悔すること25」によれば、後悔の1位は「健康を大切にしなかったこと 」で、死ぬ時に気がついても後の祭りで間に合いません。 また、55~74歳の男女1060人に聞いた「リタイア前にやるべきだった後悔」の健康部分の第2位が「スポーツなどで体を鍛えればよかった」なので、後悔するなら今からやっても十分間に合います。 ・人生で今日が一番若い。 ・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生) ・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵) ・健康こそ最大の資産であり、史上最高の投資である (リチャード・ブランソン:ヴァージングループ会長) ・健康な身体を維持する意志力がないということは、人生を左右する重要な状況において、積極的心構えを維持する力にも欠ける。(ナポレオン・ヒル) 世界最大の医療研究機関、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が提唱した認知症予防のための生活習慣は、 1.運動習慣をつける。 2.高血圧を改善する。 3.人的交流など社会認知活動を増やす。 4.2型糖尿病の改善する。 5.地中海食などバランスのいい食事を摂る。 6.適正体重の維持(生活習慣病の改善)。 7.禁煙する。 8.うつ状態の改善。 の8つをあげ、最大の予防策は運動習慣だと言っています。 ****************************【以下転載】**************************** 「認知症1000万人社会」の到来とともに、「認知症予備群」と呼ばれるMCI(軽度認知障害)患者も急増する見込みだ。現在400万人(2012年)とされる患者数は、MCIの有病率13%(全国推定値)から推計すると、2025年には475万人にまで膨らむ。認知症・MCIの専門医院「メモリークリニックお茶の水」院長で、東京医科歯科大学特任教授の朝田隆氏が解説する。 「MCIとは記憶障害はあるものの物忘れの自覚があり、日常生活にもほとんど影響がない“認知症の前段階”の状態です。ただしMCIを放置するとおよそ4年間で50%が認知症を発症するとされています」 “認知症の一歩手前”と位置付けられるMCIだが、朝田氏の言葉を言い換えれば「50%は数年経っても認知症を発症しない」ということでもある。40%はMCIのままだが、専門家が注目するのは残りの10%の人々だ。彼らはMCIから正常に戻っていたのである。 これまで3万人以上の認知症患者の診療経験を持つ「おくむらmemoryクリニック」院長の奥村歩氏(脳神経外科)がこう話す。 「現状では、認知症を発症すると進行を確実に止める術はありませんが、MCIは“まだ間に合う”のです。 近年、認知症は生活習慣病の側面を大きく持つことが各国の研究データ等で明らかにされつつあります。そのため生活習慣を見直すことで認知症を予防でき、MCIの症状が改善することがわかってきました。MCIの方が本人の意識改革で生活習慣を改め、回復した事例を私も数多く見てきました」 なぜ生活習慣を改善すれば回復に繋がるのか。その秘密は認知症の発症メカニズムに隠されている。 「認知症の約7割を占めるアルツハイマー型の原因に『アミロイドβ』という物質が深く関係していることがわかっています。アミロイドβとは“タンパク質の残骸(老廃物)”で、これが脳内に徐々に蓄積することで認知症が発現するのです」(奥村氏) 例えば、80歳で認知症を発症した人は、30年以上前の40代から脳内にアミロイドβが溜まっているのだという。そして蓄積量が増えるにつれ、その“毒性”も強まり、脳内の神経細胞を傷付け、死滅させる。 アミロイドβは、まず大脳の側頭葉にある「海馬」周辺の神経細胞を蝕んでいく。海馬とは、新しく経験した情報を記憶として脳に定着させる一時的な記憶の貯蔵庫である。物忘れが酷くなるMCIの症状が現われるのはこのためだ。 アミロイドβの他にも、MCIから認知症への移行を加速させる要因としてストレスや高血圧、メタボリック症候群(肥満)、糖尿病などが挙げられる。つまり、アミロイドβの蓄積などのリスク要因を低減させることが、MCIから認知症への進行を防ぎ、症状を改善させるポイントとなる。そのためには生活習慣の改善が欠かせない。 (出典:週刊ポスト 2015年12月18日号) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015/12/12 04:51:42 AM
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